2020 Fiscal Year Research-status Report
心不全における血管内皮グリコカリックスの超微形態学的検討
Project/Area Number |
19K18347
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
福田 哲也 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00839201)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 血管内皮グリコカリックス / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全患者は増加傾向に予後不良の病態であるが, 現在のところバイオマーカーとして推奨されているものがなく, 突然増悪し再入院, 死亡に至ることが多い.その要因として心不全は多彩な臨床症状を示し腎臓や肝臓など多臓器にわたって障害を引き起こすことが知られている. 血管内皮細胞表面に存在するグリコカリックスは血管の恒常性維持に対して重要な役割を果たしているが, 近年, 循環血液量増加によりグリコカリックスが障害され, 水分の血管外漏出が増加し臓器障害が生じると考えられている. 我々は心不全モデルマウスを用いて心臓や肺, 腎臓, 肝臓の血管内皮傷害をきたし, グリコカリックスが脱落することを見出し, このことが心不全の多彩な臨床症状の要因のひとつになっていると推測している. 2017年9月から2018年6月までに入院加療となった心不全の患者に対して主治医が必要と判断した採血を実施し, その残血清でグリコカリックスの障害マーカーと考えられている血清シンデカン-1濃度を測定した. 2019年12月まで再入院または死亡までの期間をPrimary Outcomeとした. ただし急性心筋梗塞・維持透析・悪性腫瘍・肝硬変・膠原病の患者は除外した. 152人(男性58人, 女性94人)がエントリーし784検体が得られた. 患者年齢は中央値76歳(68-85)であった. 再入院・死亡が生じたのは67人で, それまでの期間の中央値は288日であった. 血清シンデカンー1濃度が高ければ高いほど再入院・死亡の発生率が上昇することが確認できた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
臨床データの解析が終了し, 現在論文投稿中である. 現在基礎研究を進行中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト心筋症の原因として報告されている遺伝子異常であるデルタサルコグリカン(ジストロフィン結合タンパク質)を欠損させたマウスを用いて血管内皮グリコカリックスの障害を検討していく.
|
Causes of Carryover |
新型コロナ流行により一時的に研究せざるを得なかったため.
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Ultrastructural alteration of pulmonary tissue under conditions of high oxygen concentration2020
Author(s)
Hirohisa Yano, Ayumi Kuroda, Hideshi Okada, Hiroyuki Tomita, Kodai Suzuki, Chihiro Takada, Hirotsugu Fukuda.....Tetsuya Fukuta, Takahito Miyake, Norihide Kanda, Nagisa Miyazaki, Tomoaki Doi, Takahiro Yoshida, Akio Suzuki, Shozo Yoshida, Shinji Ogura
-
Journal Title
International Journal of Clinical and Experimental Pathology
Volume: 13
Pages: 3004-3012
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-