2019 Fiscal Year Research-status Report
大型脳動脈瘤に対するフローダイバーターを用いた新規治療プロトコールの提唱
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19K18384
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
南部 育 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (80735465)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / フローダイバーター / 治療プロトコール |
Outline of Annual Research Achievements |
根治困難な大型脳動脈瘤に対する治療プロトコールの作成を目的に研究を行っている.脳動脈瘤に対してフローダイバーター単独治療を行った症例と,フローダイバーター留置とコイル塞栓術を併用した症例を抽出し,それらの症例の治療経過を観察した.完全閉塞群と不完全閉塞群に分類し,それぞれの患者背景や形態学的特徴を検討した.また,治療前の状態として数値流体 (computational fluid dynamics: CFD) 解析を行い,瘤壁における壁面せん断応力 (wall shear stress),動脈瘤内や動脈瘤入口部における血流速度 (velocity),動脈瘤壁にかかる圧力 (pressure),動脈瘤内への流入血流量 (flow rate) などを評価した. 今後は,仮想のフローダイバーターを留置したモデルと,仮想のフローダイバーターとコイルを留置したモデルを作成し,両モデルに対してCFD解析を行う予定である.治療後の血行力学的因子を評価すること,治療前の血行力学的因子と比較することによって,動脈瘤が完全閉塞する予測因子を同定する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローダイバーターを用いて治療を行った動脈瘤の経過をまとめ,治療前の段階の動脈瘤をCFD解析を用いて評価した.おおむね順調に進んでいるが,今後は仮想モデルを作成し,CFD解析を行っていく必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
仮想のフローダイバーターを留置したモデルと,仮想のフローダイバーターとコイルを留置したモデルを作成し,CFD解析を行う.そして,治療後の動脈瘤閉塞の予測因子となりうる血行力学的因子を同定する.
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会や解析ソフトの講習会の中止により,予定より使用額が減ったと思われる. 本年度はCFD解析ソフトのライセンス料と学会での研究報告に経費を充てる予定である.
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