2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new treatment via the new mouse glioma model which shows perineural invasion.
Project/Area Number |
19K18385
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮居 雅文 岐阜大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (60613502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | mouse glioma model / diffuse infiltration / 神経周囲浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はマウスグリア細胞へH3K27M mutationを導入した細胞株をマウス脳内移植することにより、グリオーマのびまん性浸潤を再現することに成功した。この腫瘍細胞は正常脳組織との境界が不明瞭で、多くの腫瘍細胞が神経細胞を囲むように存在している。また血管周囲への浸潤も一部に認めるが、GL261等従来マウスグリオーマモデルと比べてわずかであった。脳内で強いびまん性神経周囲浸潤能を示すマウスグリオーマモデルの報告は渉猟した範囲ではなく、初めての報告となる。またこれまでH3K27M mutationモデルとして、マウスのneural stem cellへの変異導入モデルやヒトの手術検体からcell line化したモデルは報告されているが、びまん性神経周囲浸潤を来すモデルは報告されておらず、我々のモデルはグリオーマのびまん性神経周囲浸潤メカニズム解明に有用であると考えた。 これまでの報告で、腫瘍浸潤メカニズムについて、腫瘍周囲の環境及び周囲細胞からの影響に代表される微小環境の関与について研究が行われている。浸潤能が高い腫瘍細胞と血管新生能が高い腫瘍細胞の解析結果や、腫瘍浸潤時の細胞代謝の変化が報告されており、我々の作成したマウスグリオーマモデルでも検証したところ、過去の報告と矛盾しない結果を得られた。次に我々はこのマウスグリオーマ細胞でS100bが有意に上昇している点に着目した。 そこでS100b Knock down株を作製し、マウス脳内移植を行うと、腫瘍細胞は移植部周囲にわずかに残るのみで、びまん性神経周囲浸潤を起こさないことを発見した。これらの実験結果より、S100b阻害薬がグリオーマのびまん性神経周囲浸潤抑制に有効となる可能性があると考え、本研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に予定した通り、作成したH3K27M mutationグリオーマモデルのマイクロアレイによる網羅的解析が終了した。当初検討したS100bに加え、その他の遺伝子変異のうち、治療ターゲットとなりうる変異を検証することができた。 さらに、申請時に予定した、遺伝子ノックダウンH3K27M mutationグリオーマモデルの作成にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでのH3K27M mutationグリオーマモデルの解析を進める。 in vivoで遺伝子ノックダウンH3K27M mutationグリオーマモデルの評価を進めるとともに、遺伝子阻害薬の投与実験を進める。 当初予定していたS100bが治療ターゲットとなり難い結果となった場合には、マイクロアレイでの結果より候補に挙がった、その他の遺伝子をターゲットとした、阻害薬実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
外注の解析費用がかさんだため物品費が少なくなったが、予算内で使用できた。次年度は、当初の内訳どおりに使用できるよう努める。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 新規マウスグリオーマモデルを用いた、グリオーマの神経周囲浸潤における腫瘍と神経細胞の相互関係についての検証2019
Author(s)
宮居雅文, 富田弘之, 金山知弘, 山田哲也, 江頭裕介, 榎本由貴子, 中山則之, 大江直行, 矢野大仁, 原 明, 岩間 亨
Organizer
日本脳神経外科学会第78回学術総会
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