2019 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌における性ホルモン受容体シグナルと放射線感受性並びに放射線性膀胱炎との関連
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19K18620
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井手 広樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70365360)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / アンドロゲン受容体シグナル / エストロゲン受容体シグナル / 放射線 / 放射線性膀胱炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
性ホルモン受容体シグナルと放射線感受性との関連を精査中だが、アンドロゲン受容体(AR)シグナルとの関連は既に確認できたので(Ide H et al.: Mol Cancer Ther, 2018),膀胱癌細胞株におけるエストロゲン受容体(ER)の発現をを確認した上で、ERノックダウン、または抗エストロゲン剤を併用での放射線感受性の増強をin vitroで評価を行う。次に、マウスER陽性膀胱癌皮下腫瘍モデルヌードマウスの作製及び抗エストロゲン剤・放射線照射の単独、併用群、コントロール群による抗腫瘍効果の比較を行う。 効果が出れば、アポトーシス、DNA損傷などのメカニズムの評価を行う予定である。 同時に、本実験では、ER陽性膀胱癌細胞株における放射線抵抗性株の確立を目指しており、最終的にAR,ER両シグナルに関与しているDNA修復関連、またはアポトーシス関連分子の同定を目指す。 最後に、放射線性膀胱炎と性ホルモン受容体シグナルの関連に関し、in vivoでの評価を目指している。具体的には抗エストロゲン剤、または抗アンドロゲン剤併用の有無別の放射線照射後の血尿をテステープなどで評価し、最終的に摘出した膀胱を免疫染色などで比較検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当教室が保有するヒト膀胱癌細胞株(5637, UMUC3, T24)にERが発現しているかWestern blotを用いて確認したところ、どの細胞においてもERβの発現を確認できた。また、UMUC3ではARの発現も確認できた。そこで、我々は、AR陰性ERβ陽性の5637,T24において抗エストロゲン剤の投与、ERβノックダウン細胞の作成を行い、コントロール細胞との放射線感受性をin vitroで評価した。その結果、抗エストロゲン剤投与、ならびにERβノックダウンにおいて放射線感受性の増強を認めた。また、抗エストロゲン剤単独では有意な抗腫瘍効果を認めないことも確認した。現在、T24,5637を用いた皮下腫瘍マウスを用いた動物実験へ移行予定である。 また、AR陰性ER陽性株による放射線性抵抗株の確立を目指しているが、AR陰性のためか当初のプランでは全部死滅してしまい、スケジュールを練り直して現在再度作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマウスERβ陽性膀胱癌皮下腫瘍モデルヌードマウスの作製及び抗エストゲン剤・放射線照射単独または併用による抗腫瘍効果の比較を行うと共に、DNA損傷、またはアポトーシスの評価、それに伴う関連分子の同定を行う予定である。放射線抵抗株の確立を再度作成中であると同時に、抗アンドロゲン剤、もしくは抗エストロゲン剤を使用した放射線性膀胱炎の動物実験の評価を最終的に行う予定である。
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Research Products
(1 results)