2019 Fiscal Year Research-status Report
Physiological role of cyclooxygenase 2 in the uterus
Project/Area Number |
19K18630
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金谷 真由子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60748862)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シクロオキシゲナーゼ2 / プロスタグランジン / 着床 / 子宮内膜 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
妊孕性のある野生型雄マウスと交配した分娩数の表現型として、子宮のCOX2欠損雌マウス(Ptgs2-loxP/Pgr-Cre; COX2 cKO)は分娩仔数がコントロールの約4分の1に低下し妊孕性の低下を認め、胚浸潤が障害された。COX2 cKOマウスでは、排卵、受精、着床前の胚発育に異常を認めなかったが、通常Day5午前(腟栓確認日=Day1)に認められる着床部位の子宮内膜間質の血管透過性低下が認められ、通常Day5夕に認められる子宮内膜管腔上皮消失が起こらず、Day6午前において胚の栄養膜細胞が子宮内膜間質へ浸潤しないことが判明した。胚接着部の子宮内膜管腔上皮の消失が起きないことが明らかとなり、子宮内膜間質が胚の栄養膜細胞と直接のコンタクトを取れないため、胚浸潤が起きていない可能性が考えられた。マウスモデルでの表現型解析が予定通り進んでおり、in vivoでのCOX2の着床への関与が示された。基底膜の消失のメカニズムを見いだすために、走査電子顕微鏡を用いて、基底膜の消失の過程を捉えたところ、野生型マウスでは子宮内膜管腔上皮の基底膜の数か所にギャップが生じることが明らかとなった。今後はCOX2cKOマウスで電子顕微鏡での検討を進める予定である。ヒト着床障害患者の子宮内膜組織を収集を進めており、ヒト子宮内膜でのCOX2発現を検討する予定である。今後はin vivoの予定された解析を終了させ、同時にin vitroの解析と、ヒト検体を用いた解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルでの表現型解析が予定通り進んでおり、in vivoでのCOX2の着床への関与が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivoの予定された解析を終了させ、同時にin vitroの解析と、ヒト検体を用いた解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
COX2欠損マウスの繁殖において、当初の想定に反し実験に必要な成体数を得られず研究が3か月遅延した。そのため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、繁殖期間延長に伴うマウスの管理費とその解析を行うための試薬・消耗品の購入費にあてる。当該年度に遅延した内容の研究は次年度に行い、合わせて当初から次年度に行う予定であった研究を次年度内に完了するように研究を推進する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] 子宮粘膜下筋腫に対しGnRHアンタゴニストを使用して多量出血をきたした1例2020
Author(s)
石沢千尋, 浦田陽子, 真壁友子, 原口広史, 矢野倫子, 松尾光徳, 宮下真理子, 金谷真由子, 森嶋かほる, 廣田泰, 大須賀穣, 藤井知行
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69
Pages: 23-28
Peer Reviewed
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[Journal Article] 腹腔鏡下子宮筋腫核出術の安全性を担保するための最適な筋腫個数に関する検討2019
Author(s)
森嶋かほる, 原口広史, 高村将司, 金谷真由子, 平野茉来, 秋山育美, 能瀬さやか, 原田美由紀, 平田哲也, 廣田泰, 甲賀かをり, 平池修, 大須賀穣, 藤井知行
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Journal Title
臨床婦人科産科
Volume: 73
Pages: 701-704
Peer Reviewed