2020 Fiscal Year Annual Research Report
p53 regulates sexual functions through SF1/Ad4BP
Project/Area Number |
19K18631
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原口 広史 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50804506)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 網膜芽細胞腫蛋白 / 細胞増殖抑制 / 子宮内膜管腔上皮 / ネクロトーシス / 胚着床 / 胚浸潤 / プロゲステロン / TNFα |
Outline of Annual Research Achievements |
Rb1によってコードされる網膜芽細胞腫蛋白(RB)は細胞周期停止の誘導因子として知られている。本研究では子宮特異的RB欠損マウスを作成し妊娠の表現型を観察したところ、子宮のRB欠損マウスは着床障害をきたした。RB欠損子宮内膜上皮では、本来着床時に起こる細胞増殖抑制が起こらず持続的な細胞増殖をきたし、胚の子宮内膜上皮への接着は認めるものの、上皮のネクロトーシスが起こらず、その後の胚浸潤が障害され、栄養膜細胞による子宮内膜上皮の貪食能が妨げられていることが明らかとなった。これらの結果から、RBによって誘導される細胞増殖抑制と子宮内膜上皮のネクロトーシスが胚浸潤に関与していることが示された。さらに、着床前のP4補充によってこれらの表現型は完全に救済されること、RB欠損子宮内膜上皮細胞ではTNFαで誘導されるネクロトーシスが起こらないこと、子宮内膜上皮細胞増殖抑制物質であるであるチミジンまたはP4の投与により2型のTNF受容体が増加すること、が明らかとなった。TNFαは子宮内膜管腔上皮および着床期胚で発現していることから、子宮内膜上皮のRBによって起こる細胞増殖抑制によりTNF受容体の発現増強が起こり、さらに着床部位由来のTNFαによって子宮内膜上皮のネクロトーシスが誘導され、胚浸潤を調節していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)