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2020 Fiscal Year Research-status Report

妊娠初期における超早産バイオマーカー探索:エクソソーム中胎盤特異的miRNA

Research Project

Project/Area Number 19K18650
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

高橋 宏典  自治医科大学, 医学部, 教授 (80544303)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsマイクロRNA / エクソソーム / 早産 / 分娩
Outline of Annual Research Achievements

1. 絨毛外栄養膜(EVT)の制御機構に関する論文発表:ヒト妊娠初期胎盤からEVTと絨毛栄養膜(CVT)を分離培養し、lncRNA H19とmiR-675-5pの発現解析において、当該分子はCVTに比しEVTで有意に発現が高かった。細胞浸潤実験においてmiR-675-5pがEVT株の浸潤能を有意に促進させた。in silico解析により得られたmiR-675-5pの標的遺伝子の候補の中から、細胞浸潤能に関与する転写調節遺伝子GATA2がmiR-675-5pによって直接抑制されることを証明(ルシフェラーゼ解析)した。これらは早産や妊娠高血圧腎症の原因解明の一端となり得る。
2.妊娠初期血液検体採取:患者から書面同意を取得し、妊娠初期検体を計972例まで集積した。最低限の目標1000例までほぼ集積できた。
3.分娩転帰解析:妊娠初期検体を採取した症例中446例は分娩転帰が判明したので、診療録から詳細な情報を回収した。妊娠高血圧腎症34例、妊娠28週未満の超早産5例、妊娠28週以降32週未満の早産12例、妊娠32週以降36週未満の早産78例、妊娠糖尿病は67例が発症した。
3.血清中miRNA発現解析:エクソソームの回収が困難であったため、エクソソーム中に限定せず、血清中miRNAの発現に注目した。妊娠高血圧症候群の発症有無で網羅的な解析の結果、発現差のみられたmiR-30c-1-5p, 451a, 675-5pに注目してリアルタイムPCRによる発現解析を実施したが、疾患の有無で発現に有意差は認められなかった。内部コントロールを何にするかで結果は異なった。
4. 妊娠糖尿病の予知因子研究:2.で集積した血清のうちサイトカインをターゲットにし、サイトカインアレイキットを購入し、実験を開始した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症蔓延のため、研究活動が制限され、物品も入りづらく、この1年間は思うように研究できなかった。エクソソームを回収するためのキットが入手困難であった。エクソソームはキット以外に超遠心法で採取する方法が知られているが、技術的、時間的に施行できなかった。

Strategy for Future Research Activity

エクソソームは安定的に回収が困難なため、血清中のエクソソーム内miRNAではなく、血清中miRNA発現に注目して以下を計画する。
1. 早産予知因子の検討:リアルタイムPCRにおいて内部コントロールの選定が非常に難しい。これを打開するために内部コントロール不要のデジタルPCRを使用し、回収した妊娠初期検体を用い、早産vs.非早産(正常)において、発現を比較する。最初に5サンプルを選定後、発現比較し、有意差のみられたmiRNAなどを症例数を増加させて、同様の解析を行う。
2. 妊娠高血圧腎症予知因子の検討:1.と同様な手法を妊娠高血圧腎症でも行う。
3.妊娠糖尿病予知因子の検討:妊娠糖尿病は妊娠初期からサイトカインの一部の発現が大きく異なることが知られている。サイトカインアレイで発現差の大きいサイトカインに注目し、このサイトカインを調節していると予測される(in silicoで解析)miRNAに焦点をあて、リアルタイムPCRもしくはデジタルPCRで発現を解析する。
1-3.の中で良好な結果が得られたものの中から当該miRNAが制御する候補蛋白を抽出する。この後、実際にmiRNAが直接当該蛋白を制御しているか検証する必要があるが、本研究においては候補蛋白の抽出までにとどめる。なお、デジタルPCRについては、現有している。

Causes of Carryover

コロナ禍で大学から実験の一時的な中断を要求され、臨床に従事するよう大学から求められたため予算を消費できなかった。本年度の計画としては本来行う予定であったPCRに伴う試薬、キット購入に予算を用いる。特にデジタルPCRで用いる試薬は高価であり、予算を大幅に消費するため、昨年度使用できなかった分を一気に消費する換算である。また、妊娠糖尿病の予知で用いるタンパク質(サイトカイン)のELISAキットや抗体にも予算を用いる。候補となるタンパク質やmiRNAを抽出するための網羅的な絞り込みに関して、状況によっては外注を用いる可能性も考慮している。が、PCRで使用する予算を消費しないように注意する。この他に解析するためのソフトウェアや消耗品、学会参加費(胎盤学会、生殖免疫学会、Philadelphia Prenatal Diagnosis: Ultrasound/Fetal ECHO, Genetics & MFM/OB Conferenceなど)、英文校正などで予算を使用させていただく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] LncRNA H19-Derived miR-675-5p Accelerates the Invasion of Extravillous Trophoblast Cells by Inhibiting GATA2 and Subsequently Activating Matrix Metalloproteinases2021

    • Author(s)
      Ogoyama Manabu、Ohkuchi Akihide、Takahashi Hironori、Zhao Dongwei、Matsubara Shigeki、Takizawa Toshihiro
    • Journal Title

      International Journal of Molecular Sciences

      Volume: 22 Pages: 1237~1237

    • DOI

      10.3390/ijms22031237

  • [Presentation] miR-675-5pは複数のmatrix metalloproteinaseの発現を上昇させ絨毛外栄養膜細胞の浸潤を促進する2020

    • Author(s)
      小古山学、大口昭英、高橋宏典、松原茂樹、瀧澤俊広
    • Organizer
      第35回日本生殖免疫学会学術集会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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