2023 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠初期における超早産バイオマーカー探索:エクソソーム中胎盤特異的miRNA
Project/Area Number |
19K18650
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 宏典 自治医科大学, 医学部, 教授 (80544303)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 肥満 / 妊娠高血圧症候群 / 早産 / 妊娠糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.妊娠初期のバイオマーカー検体を約1500例収集し得た。このうち、周産期予後が明らかになった症例も1200例を超えた。 2.昨年度に妊娠糖尿病を発症した5症例と正常妊娠経過(コントロール)5症例の患者血清を用い、サイトカインアレイ(60種類)を施行し、両群間に発現差(2倍以上)のあるサイトカインCXCL5、IGFBP-2、Leptinのうち、研究の少なかったCXCL5に注目した。妊娠初期血清中のELISAを用い、380例のCXCL5濃度を測定した。380例中、妊娠糖尿病100例、非妊娠糖尿病280例で構成された。妊娠糖尿病 440 (四分位範囲 371-584) vs. 非妊娠糖尿病 405 (四分位範囲 371-584)でP=0.515と有意差は認められなかった。一方、非妊娠時のBMIが25以上であった103例と25未満の277例の2群間でBMI25以上群 447 (四分位範囲 333-579) vs. BMI25未満群395 (四分位範囲 302-509)でP=0.163と有意差は認められなかった。続いて妊娠糖尿病の合併症の1つであるHeavy for Date(HFD: 出生体重をもとに90パーセンタイル以上児)に着目し、Heavy for Dateの有無でCXCL5に差がないかどうかを検討した。HFD児群(N=49) 450 (四分位範囲 333-578) vs. 非HFD児群(N=330) 395 (四分位範囲 302-530)でP=0.163と有意差は認められなかった。早産、妊娠高血圧症候群、やせ(BMI<20)の有無においてもCXCL5に有意差を認めなかった。 3.妊婦血漿から超遠心法を用いて、エクソソームを抽出後、CD9をエクソソームマーカーとし、ELISAで測定したところ、早発型も遅発型も妊娠高血圧腎症のエクソソーム量は各々のコントロールに比して、有意にCD9高値で、エクソソーム量が多い結果を得た。
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