2022 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research of circulating tumor cells in head and neck cancer
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19K18763
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上野 貴雄 金沢大学, 附属病院, 助教 (30623649)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血中循環腫瘍細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
血中循環腫瘍細胞(Circulating tumor cell: CTC)は、がんの血行性転移に直接的に関与する細胞であるため、有用な臨床的情報を持つと考えられており、リキッドバイオプシーへの利用が期待されている。他のリキッドバイオプシーには血中循環腫瘍DNAやエキソソーム、miRNAなどがあるが、これらは癌組織全体像の把握にはよいが、CTCの方が癌の悪性度を鋭敏に反映すると考えられている。決定的に異なるのは、CTCが血管内部で生存可能な性質を持つ細胞であるという点である。そのため、CTCの解析は特に癌転移メカニズムの解明 や予後診断、転移診断において強力なツールになりうる。遠隔転移を有する頭頸部癌患者の血液からCTCを分離、生存能、浸潤能の高いCTCを選別し、その遺伝型、表現型を検討、より予後と相関する悪性度の高いCTCを効率的に検出するシステムの開発へとつなげることが目的である。本年はCTC検出の最適化について 免疫染色での検討をおこなった。抗EpCAM抗体、EMT関連マーカー抗体(抗Vimentin, Fibronectin, N-cadherin抗体)癌幹細胞マーカー抗体(抗CD44v, CD133, CD271抗体)にて蛍光免疫染色をおこなった。CTCの一部で、Vimentin、CD44v、CD271(PD-L1)での染色が確認できた。同一症例内でも染色状況は異なっていた。一部の症例でCTM(Circulating Tumor microemboli)が検出され、Single CTCよりも生存能や遊走能、転移形成能が高いと考えられた。このCTMにより注目し研究を行なった。CTMは、CTC数が多い症例で1症例あたり、1-4個観察された。CTMにおいて、タイムラプスによる観察と培養を実施した。最長1週間の観察では、CTMの細胞増殖を観察することはできなかった。
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