2019 Fiscal Year Research-status Report
歯根膜幹細胞転換を基盤とした歯周組織再生の有用性の検討とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
19K19002
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長谷川 大学 九州大学, 大学病院, 助教 (20757992)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 歯根膜細胞 / 幹細胞転換 / 歯周組織再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①動物モデルを用いた、MEST導入ヒト歯根膜細胞における歯周組織再生能の検討、ならびに、②歯根膜細胞の幹細胞転換を制御する転写因子の同定を、二本柱として研究を進めてきた。 ①MEST導入ヒト歯根膜細胞(2-52_MEST)における歯周組織再生能について検討するため、まず、細胞の組織形成能の評価方法として当研究室にて確立し広く用いているマウス背面皮下細胞移植モデルを用いて解析を行った。その結果、2-52_MEST移植マウスにおいて、硬組織および歯根膜様組織の形成は認められなかった。 ②MESTによる歯根膜幹細胞転換を制御する転写因子を同定するため、まず、2-52_MESTを用いたマイクロアレイの結果から候補因子としてHOXD8に着目し解析を行った。その結果、2-52_MESTにおけるHOXD8発現をsiRNAによりノックダウンすると、幹細胞マーカー発現および骨芽細胞様分化能が低下することが明らかになった。このことから、MESTによる幹細胞転換にHOXD8が関与する可能性が示唆された。さらに詳細に検討を行うため、現在HOXD8導入ヒト歯根膜細胞(2-52_HOXD8)を作製中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス背面皮下細胞移植モデルにおいて、ポジティブな結果が得られず、実験系を再考しなければならなかったため、予定通り解析を進めることができなかった。ただし、ポジティブコントロールとして用いた他の幹細胞様細胞においてはポジティブな結果を得ているため、早急に培養条件等の見直しを行い、再度実施していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験では、2-52_MEST移植マウスにおいて、硬組織および歯根膜様組織の形成は認められなかった。しかしながら、ポジティブコントロールとして用いた他の幹細胞様細胞においてはH.E.染色およびマッソン・トリクローム染色にて陽性反応が認められたことや、2-52_MESTがIn vitro解析においては十分な分化能を発揮していることから、当動物モデルにおける2-52_MESTの細胞適用条件あるいは細胞培養状態等が至適ではなかった可能性が考えられた。今後は、条件等の再検討を行い解析を継続する予定である。 幹細胞転換を制御する転写因子の同定に関しては、HOXD8に着目し、HOXD8導入ヒト歯根膜細胞(2-52_HOXD8)を作製後、この細胞を用いて多分化能解析等を行う予定である。
|
-
[Journal Article] MEST Regulates the Stemness of Human Periodontal Ligament Stem Cells2020
Author(s)
Daigaku Hasegawa, Kana Hasegawa, Hiroshi Kaneko, Shinichiro Yoshida, Hiromi Mitarai, Mai Arima, Atsushi Tomokiyo, Sayuri Hamano, Hideki Sugii, Naohisa Wada, Tamotsu Kiyoshima, Hidefumi Maeda
-
Journal Title
Stem Cells International
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-