2021 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト薄膜を用いたテーラーメイドな表面性状を有するインプラント体の開発
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19K19079
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
上野 恭平 朝日大学, 歯学部, 助教 (70837848)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゼオライト / インプラント / イオン / オッセオインテグレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は作製したインプラント体サンプルを用いて細胞毒性の評価や、ヒト歯髄由来幹細胞の細胞増殖試験およびアルカリフォスファターゼ活性の評価を行った。対照群としてコーティング処理を行っていないチタン基板を、ゼオライトコーティング基盤として純シリカで構成された陽イオンを含まないゼオライト層を、ナトリウム・カルシウム・ストロンチウムイオンを担持したゼオライト層をチタン基板上にコーティングしたサンプルを使用した。 いずれのゼオライトコーティング基板もコントロールのチタン基板と比較して細胞毒性に有意な差はなく、優れた細胞適合性を有していた。また、ヒト歯髄由来幹細胞を用いた細胞増殖試験では、チタン基板と比較して、いずれのゼオライトコーティング基板でもその増殖が有意に向上し、特にカルシウムやストロンチウム含有ゼオライトコーティング基板で増殖が促進された。さらに、ヒト歯髄由来幹細胞を用いたアルカリフォスファターゼ活性試験においてもゼオライトコーティング基板でコントロールと比較してアルカリフォスファターゼの活性が上昇し、特にカルシウムやストロンチウム含有ゼオライト層をコーティングしたサンプルでその活性が他のゼオライトコーティングサンプルと比較して有意に高かった。このことから、従来のチタン基板と比較して、カルシウムやストロンチウムイオンを組み込んだゼオライトコーティングは、優れた骨形成活性場を提供し、インプラント体の表面改質材料としての可能性があることがわかった。
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Research Products
(4 results)