2019 Fiscal Year Research-status Report
軟骨・骨組織誘導性ハイブリッド生体材料開発による新規関節軟骨再建法構築と臨床応用
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19K19159
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高畠 清文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (70736537)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハニカムTCP / 軟骨組織再生 / 骨組織再生 / 人工生体材料 / 幾何学的構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに申請者らは、骨組織誘導能、生体親和性に優れているリン酸三カルシウム(TCP)に直線的貫通孔をハニカム状に配列させたハニカムTCPを開発し、その直線的貫通孔の孔径を変化させることにより、骨組織と軟骨組織を特異的に誘導することに成功している。そこで本申請課題では、既存関節軟骨相当部に軟骨組織、骨組織相当部に骨組織を同時に、かつシームレスに組織が連続した状態で誘導可能な新規生体材料を開発することを目的とし、基礎的研究を行なっている。 2019年度は、ウサギ膝関節において骨形成、軟骨形成を誘導する最適なハニカムTCPの孔径と成長因子(BMP-2)の最適濃度の選定を行った。その結果、ウサギ膝関節に孔径300μmのハニカムTCPにBMP-2 80μg/mlを含浸させた試料において旺盛な骨形成を認めた。しかし、軟骨組織誘導についてはウサギ膝関節においてごくわずかに誘導されるのみの結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウサギを用いた動物実験において、ハニカムTCPを用いて膝関節に旺盛な骨組織再生する最適条件(ハニカムTCPの直線的貫通孔の孔径が300μmで、BMP-2. 80μg/ml)を得ており、当初の実験計画通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本申請課題の目的である、骨組織・軟骨組織をシームレスに連続した状態で再生するため、すでに骨組織誘導の最適条件は得ているが、軟骨組織誘導の最適条件を決定する必要がある。そこで、今後の研究方策として、軟骨組織誘導のためのハニカムTCPの最適孔径はもちろん、現在成長因子として用いているBMP-2に加えて、軟骨組織誘導因子であるGDF-5等の添加を検討する。
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Causes of Carryover |
ウサギ動物実験を用いたハニカムTCPを用いた骨組織誘導実験において、2019年度予定していた骨形成最適条件を順調に決定できたため、使用動物匹数、TCP個数、成長因子が予定よりも使用量が少なかったため次年度使用額が生じた。次年度は、ウサギ膝関節欠損モデルにおいて最適な軟骨組織誘導条件決定の予定にしている。
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Research Products
(8 results)