2021 Fiscal Year Annual Research Report
EMTを介した口腔癌の浸潤機構におけるAnnexinA8の解析
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19K19161
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石田 扶美 (田中扶美) 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (60625979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EMT / Snail / NGS |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞の形質に分化度がある。この修飾にEMT誘導因子Snailが関与しているため、当初その媒介分子として生理的に基底細胞層に発現するAnnexin A8に注目した。また、EMTは多段階に進行し、段階によって発現する分子群も移行するため、Snail下流分子の同定が必要である。そこで本年度はOM-1細胞、OM-1Snail細胞、 OM-1Snail clone細胞よりRNAを回収し、cDNAを合成、アダプター配列を付加し遺伝子ライブラリーを調整した。ライブラリーを次世代シーケンシングにより網羅的に配列同定を行い、全リードをゲノムブラウザ上にマッピングし遺伝子発現を可視化した。 この結果、OM-1Snail細胞のパーシャルEMT形質はEカドヘリン遺伝子の発現とビメンチン遺伝子の発現が同時に起きていることをゲノムブラウザ上で可視化することで明確に特徴づけられた。また OM-1Snail clone細胞のEMT形質はEカドヘリン遺伝子の消失とビメンチン遺伝子の発現で同様に明確に特徴づけられた。本課題の対象とするアネキシンA遺伝子ファミリーではアネキシンA10の出現がEMT形質を特徴付け、アネキシンA6発現はパーシャルEMT、EMT で段階的に出現、亢進していた。一方アネキシンA9はパーシャルEMT、EMTにおいて発現消失し上皮形質を特徴づけた。しかし当初研究の対象としたアネキシンA8はパーシャルEMT、EMTで共段階的に発現減弱していた。このため、当初実施していたアネキシンA8強制発現、ノックダウン実験は中断し,Snail誘導性のパーシャルEMTとEMTを制御する条件を検討した。その結果、デキサメタゾンシグナルがEMTをパーシャルEMTに逆行させることを発見し、Snailがクロマチンで形成する複合体もリセットされることを発見した。
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