2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌に対するレプチンアンタゴニストペプチドの腫瘍抑制効果の検討
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19K19251
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
梅木 泰親 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (10552408)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / レプチン受容体 / レプチンアンタゴニスト |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎えたわが国では今後も悪性腫瘍罹患率の増加が予想され、口腔癌も同様に増加すると思われる。口腔癌に対しては外科治療、化学療法や放射線療法が行われており、術後の機能障害や審美障害、副作用が問題としてあげられる。そのため、より低侵襲で、治療に伴う弊害の少ない治療法の開発が急務である。近年、口腔および口腔咽頭癌においてレプチン受容体が正常組織と比べ有意に発現していることが報告された。一方、トリプルネガティブ乳癌においてレプチンおよびレプチン受容体が正常の乳房組織に比べ有意に高いこと、およびそのマウスモデルにおいてレプチンアンタゴニストペプチド(以下LAP)を作用させたところ、従来の化学療法に比べ平均生存期間が延長したとの報告があった。これらの報告からLAPを作用させることで、LAPがヒト口腔癌に対して何らかの抑制効果がある可能性に着目し、検討することを目的とする。 本年度は、ヒト口腔癌症例におけるレプチン受容体の発現の検討として、対象口腔癌患者より切除された組織を用いて、組織切片を作製しH-E染色を行い、組織を観察するとともに、レプチン受容体についてその発現分布につき免疫組織化学的に検討を行っている。また、生検または切除術時に含まれる正常な部位の組織をコントロールとしてレプチン受容体の発現の多少につき比較検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔癌患者より切除された組織を用いて、組織切片を作製しH-E染色を行い、組織を観察するとともに、レプチン受容体についてその発現分布につき免疫組織化学的に検討を行っているが、対象となる口腔癌患者からの検体の入手に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
新規の口腔癌患者からの検体入手だけでなく、当講座保有の検体を用いた検討が開始できるように準備を進めている。 また、各種ヒト口腔癌細胞におけるレプチン受容体の発現についての検討を同時に進めていくこととする。レプチン受容体の有意な発現を認めたヒト口腔扁平上皮癌細胞については培養時にレプチンを添加し細胞に作用させ、増殖、分化についてレプチン添加群と非添加群を比較する。同時にレプチン添加群におけるSTAT1、3のリン酸化について検討することによりレプチン経由であるのかについても併せて検討する。
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Causes of Carryover |
対象口腔癌患者より切除された組織を用いて、組織切片を作製しH-E染色を行い、組織を観察するとともに、レプチン受容体についてその発現分布につき免疫組織化学的に検討しているが、入手できた検体数が少ないため、各染色に使用する試薬の購入が遅れている。 今後検体数の増加に伴い、各試薬やガラス製品等を購入する。 また、各種ヒト口腔癌細胞におけるレプチン受容体の発現を検討についても開始する準備が整ったため、細胞および検討を行うための試薬を購入する予定である。
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