2019 Fiscal Year Research-status Report
乳歯歯髄由来間葉系幹細胞のエクソソームを応用した低侵襲性顎裂閉鎖治療法の確立
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19K19269
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
阿部 崇晴 広島大学, 病院(歯), 助教 (20806682)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SHED-CM / Microarray / CD31 / CD34 / bone regeneration / CD146 / 日本矯正歯科学会 / Oral Disease |
Outline of Annual Research Achievements |
in vitroにおいて、乳歯から単離培養してきた細胞(P5~P10)をSHEDとして、実験に使用した。細胞を培養し80%コンフル時点において、FBSを0%にし48時間後、上清を回収し、さらにそれを、遠心分離し、CMとして用いた。SHED-CMについてマイクロアレイ解析により液性成分の分析を行った。BMSCとMC3T3-E1をBrdU Assayを用いて、細胞増殖能について比較した結果、有意な増殖が認められた。BMSCに、SHED-CMを添加し、VEGF, Ang1, Ang2, HGF, ALP, RUNX2, OCNについてその遺伝子発現についてPCRを用いて比較検討した結果、いずれの遺伝子発現についても優位な上昇を認めた。MC3T3-E1についても同様、ALP, RUNX2, OCNについて、比較検討を行った結果、遺伝子発現に有意な上昇を認めた。 in vitroではbalb/cヌードマウスを用いた、研究を実施。マウス頭蓋に骨欠損を作成し、そこにSHED-CMを浸漬させたアテロコラーゲンを移植し、比較を行った。その結果移植後4w、8w時点において、SHED-CMを浸漬させた群において最も骨再生が認められた。また、組織染色の結果、成熟骨の形成が多く認められた。また、VEGF、CD31による免疫染色の結果、有意に多くの染色が認められた。 これらの研究結果を"Stem cell‐derived conditioned media from human exfoliated deciduous teeth promote bone regeneration"というタイトルで論文投稿されている。また、日本矯正歯科学会にて"未分化間葉系幹細胞が破骨細胞前駆細胞の走化作用へ及ぼす影響""乳歯歯髄由来間葉系幹細胞の培養上清の骨再生治療への応用"というタイトルでポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、SHEDをCD146(+)について、FACSにてcell sortし、実験を行っている。CD146は血管内皮細胞マーカーとして、骨分化に関与すると考えられている。マウスを用い、頭蓋骨欠損部にCD146(+)、CD146(-)、SHED、controlで比較をい骨再生の検討を行っている。骨再生評価を行っているが、CTにて思うようにCD146(+)で骨再生が得られていない。HE染色やMT染色による、組織染色においてはSHED群やCD146(-)群と比較して幼若骨の形成が認められてる。 研究結果として、想定していたよりも骨再生程度が低く、十分な結果が得られていない。cell sortの方法やそれに伴い細胞の受けるダメージ、CD146について更に調査検討が必要である。またin vitroの研究も開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記、CD146についての更なる検討を進めると同時にSHED Exosomeについても検討を行う。Exosomeの分離同定は完了したが、in vitroでの実験を進める。具体的にはExosomeを投与した際のMigration Assayによる検討、Scratch Assayなどによる細胞増殖能の検討、MSCやMC3T3-E1に対する影響をPCR法にて検討を行う。 更にin vivoにおいても、同様マウスによる骨再生の研究を行うことを検討している。
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Causes of Carryover |
当該助成金については当初、3月中の出張費として予定していたが、コロナウイルス等の影響により、中止となった。次年度への研究費として使用する予定である。具体的には細胞の購入や動物購入への費用にあてがうことを検討している。
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Research Products
(3 results)