2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K19281
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中西 康 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (00754863)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯科用接着材 / PNIPAM / 矯正歯科 |
Outline of Annual Research Achievements |
必要なときにはがすことができる歯科矯正用解体性接着材の開発に向け、2020年度は温度応答性ポリマー添加歯科矯正用接着材の物性の評価を行った。 昨年度は温度応答性ポリマー(ゲル)であるポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)の合成を行ったが、本年度は安定した評価を行うため分子量30000のPNIPAMを購入して研究を遂行した。 歯科矯正用接着材にはmethyl methacrylate系歯科矯正用接着材を用いた。接着材をメーカー指定の練和法にて重合し、直径10.0mm、厚さ2.0mmの円盤状の試験片を作製した。練和中にPNIPAMをポリマー粉末に対し30%の濃度で添加し、PNIPAM添加歯科矯正用接着材を得た。その際、PNIPAMが温度応答性の反応を示すためには水分が必要なるため、水中に浸漬したPNIPAMの表面のみ水分を拭き取り添加した。 PNIPAM添加歯科矯正用接着材の物性の評価するため動的粘弾性試験を行った。温度は10℃から80℃まで毎分3℃で昇温した。コントロールとしてPNIPAMを添加していないmethyl methacrylate系歯科矯正用接着材でも同様の試験を行った。PNIPAM添加歯科矯正用接着材、コントロールともに温度の上昇とともに貯蔵弾性率は徐々に低下し、50℃付近から低下が大きくなった。両者を比較すると低下率はPNIPAM添加歯科矯正用接着材のほうがわずかに大きいことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、温度応答性ポリマーであるポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)を乾燥させた状態で添加していたため、PNIPAMの効果がほぼ見られず遅れが生じた。また、PNIPAMに水分を含ませた状態での接着材への添加方法に苦慮し、試料作製に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き温度応答性ポリマー添加歯科矯正用接着材の温度変化に伴う物性の評価を行う。2020年度で歯科矯正用接着材への温度応答性ポリマーの添加方法は定まったため、添加する濃度を変えて物性を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)今年度は学会がほぼすべてweb開催であったため学会発表に際し旅費がかからなかった。 (使用計画) 次年度は添加濃度を変え温度応答性ポリマーを添加した歯科矯正用接着材の物性の評価を行うため、温度応答性ポリマーを作る試薬、歯科矯正用接着材、牛歯、矯正用ブラケット等の購入に費用をあてる。また、得られた成果は精力的に学術論文や学会にて発表していく予定であるためその費用にあてる。
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[Journal Article] Size- and Morphology-Controlled Preparation of Surface-Modified Water-Dispersible Fullerene Nanoparticles for Bioapplications.2020
Author(s)
Oguma Hidetoshi, Seitoku Eri, Mutoh Mami, Yoshizawa Saori, Nakanishi Ko, Bando Yosuke, Era Yuko, Kiba Takayuki, Saikaew Pipop, Tamai Miho, Akasaka Tsukasa, Nakamura Mariko, Kusaka Teruo, Yoshida Yasuhiro, Sato Yoshiaki, Sano Hidehiko, Abe Shigeaki, Alireza Valanezhad, Watanabe Ikuya, Inoue Satoshi, Takada Tomoya
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Journal Title
Journal of Nanoscience and Nanotechnology
Volume: 20
Pages: 2668-2674
DOI
Peer Reviewed
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