2023 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of adherence with using electronic patient diary by pharmacist in cardiovascular outpatients
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19K19366
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
尾関 理恵 順天堂大学, 医学部, 助教 (60801991)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電子患者日誌 / 経口抗凝固薬 / 服薬アドヒアランス / 副作用早期発見 / アカデミック・ディテーリング / 処方支援 / 患者教育 / 臨床薬剤師 |
Outline of Annual Research Achievements |
心房細動とは高齢者に多くみられる不整脈疾患であるが、心房細動患者にとって一番の問題は脳梗塞の発症である。血栓ができないよう抗凝固薬としてワルファリンが約50年以上使用されていたが、2011年より新規経口抗凝固薬が次々と発売され、処方数も増えてきている。新規経口抗凝固薬は半減期が短いため飲み忘れが治療に影響する可能性があり、また抗凝固薬は出血の副作用もあるため、脳梗塞予防の重要な薬であるという患者の理解が得られにくく、服薬中断が問題となっている。そこで、本研究では経口抗凝固薬であるアピキサバン、エドキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン、ワルファリンを内服している患者向けに服薬の記録と副作用の初期症状の記録ができる電子患者日誌を開発した。本電子患者日誌は患者自身のスマートフォンやタブレットを用いて、WEBからアクセスするシステムであり、受診の記録、日々の記録、記録を見る画面から構成される。患者は本システムにアクセスし、服薬の有無、服薬できなかった場合はその理由を入力し、その日の体調、血圧、脈拍、体重、出血の有無についても記録する。 本電子患者日誌を活用した服薬アドヒアランス向上を検証する臨床試験を2施設で実施した。対象は経口抗凝固薬を服用中で、抗凝固薬電子患者日誌を使用でき、同意を得られた患者100名であり、2カ月間の試験期間のうち、1カ月間は抗凝固薬電子患者日誌を使用し、1カ月間は使用せずに通常の服薬管理を行う、ランダム化クロスオーバー試験とした。主要評価項目は服薬達成率とし、副次評価項目は薬剤毎の服薬達成率、副作用の発生状況、患者の抗凝固薬電子患者日誌に対する使用感、医療者に対する抗凝固薬電子患者日誌の有用性の意識調査とした。本年度は論文化を目指して、臨床試験で得られたデータの解析とアンケート結果より電子患者日誌の改良化と次期システムについての検討を行った。
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