2021 Fiscal Year Research-status Report
労働時間や職場風土と従業員の健康・生産性との関連:職場外要因を含めた複合的検討
Project/Area Number |
19K19439
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
津野 香奈美 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 准教授 (30713309)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神保健 / 産業保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、労働時間と人間関係問題(インシビリティやハラスメント)等の職場内要因、家事・育児等の職場外要因の両方に着目し、これらが精神的健康、身体的健康、および医療安全を含む労働生産性にもたらす影響を複合的に解明する前向きコホート研究を多施設で実施することにより、我が国の労働者における精神的及び身体的不調の未然防止と、職場の安全構築に貢献することを目的とするものである。 2021年度は新型コロナウイルス感染症の流行により、前年度に引き続き現場での調査が困難であったため、全国28,000名の一般住民(労働者約16,000名)を対象に実施したインターネット調査のデータを用いて解析を行った。また、これまでに取得した多施設コホートデータもあわせて解析を行い、研究発表を行った。 まずコロナ禍のハラスメントに関しては、在宅勤務の開始がハラスメントリスクを下げる方向性と関連していることがわかった。ただ逆に在宅勤務を続けることは重症精神障害リスク及び自殺念慮リスクを高める方向性と関連があった。このことから、在宅勤務時に職場のサポートを減らさない取り組みが必要とされることが示唆された。本論文は現在論文投稿中であり、プレプリントをmedRvivに公開済である。 他に、職場の礼節に着目し、礼節度合いを測定する尺度の日本語版の信頼性・妥当性に関する論文を出版した(Tsuno et al., J Occup Health, 2022)。また、ハラスメントと精神健康との関連における職場内外のサポート資源の緩衝効果についても検討し、職場内外のサポートがあってもハラスメントを受けると精神不調が起きやすいことを明らかにした。本論文は現在投稿中である。職場内外の因子に着目したこれらの研究成果によって、本研究目的の一部を解明することができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、本研究で得られた研究成果を国内学会・国際学会で発表したと共に、原著論文を6本執筆して投稿することができた。しかし査読に時間がかかっていることから、掲載費の支出が年度内に間に合わず繰り越しを行ったため、計画以上の進展とは言えず、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により得られたデータを引き続き使用して解析を進め、学会・論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
査読に時間がかかり、論文掲載費の支出が間に合わなかったため。
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Research Products
(33 results)
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[Journal Article] The effect of exposure to long working hours on depression: A systematic review and meta-analysis from the WHO/ILO Joint Estimates of the Work-related Burden of Disease and Injury2021
Author(s)
Rugulies R, Sorensen K, Di Tecco C, Bonafede M, Rondinone BM, Ahn S, Ando E, Ayuso-Mateos JL, Cabello M, Descatha A, Dragano N, Durand-Moreau Q, Eguchi H, Gao J, Godderis L, Kim J, Li J, Madsen IEH, Pachito DV, Sembajwe G, Siegrist J, Tsuno K, Ujita Y, Wang J, Zadow A, Iavicoli S, Pega F
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Journal Title
Environment International
Volume: 155
Pages: 106629~106629
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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