2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K19530
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
佐藤 正樹 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (30570163)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 着座動作 / 視線 / 注視 / 表面筋電図 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,着座動作時の注視場所の違いが身体の使い方にどのような変化を生じさせるのかを明らかにすることである. 着座動作時の注視場所として①正面,②足元,③座面前方の縁,④座面後方の縁の4箇所と設定し,③と④については,対象者の両下肢の間からのぞき込むよう指示した.対象者には椅子の前で起立し,研究者の合図で対象者の任意の自然な速度で着座動作を行った.三次元動作分析により,上半身前傾角度,下腿前傾角度,床面に投影した正中矢状面上の左大転子-足関節距離・頭頂-左足関節距離,重心高としての左大転子高を数値化した.着座動作の転換点となる大転子が後方移動から下方移動に変化する時点,頭頂部高が最低となる時点,着座時,着座動作終了時の4つの時点で数値を統計学的に比較した.また,着座動作時の大腿直筋,前頸骨筋,腓腹筋の表面筋電図を測定し積分値を統計学的に比較した. 対象者は16名であった.頭頂部高が最低となる時点について,上半身前傾角度では注視場所①正面がその他3カ所と比較し有意に小さく,下腿前傾角度では①正面がその他3カ所と比較し有意に大きく,左大転子高では①正面がその他の注視場所3カ所と比較し有意に小さく,頭頂-足関節距離では正面がその他3カ所と比較し有意に小さかった.着座動作終了時点について,下腿前傾角度では④座面後方がその他3カ所と比較し有意に小さく,左大転子-足関節距離では④座面後方がその他3カ所と比較し有意に大きかった.表面筋電図の積分値では,大腿直筋,前頸骨筋ともに①正面が③座面前方と④座面後方よりも有意に大きく,腓腹筋は①正面が③座面前方と④座面後方よりも有意に小さかった. 以上より,着座動作時は正面を向いて座るよりも足の間から座面前方・後方をのぞき込みながら座る方が下肢の負担が少ない事,座面後方をのぞき込みながら座ると深く座れることが明らかとなった.
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