2021 Fiscal Year Research-status Report
診療看護師(NP)による症状マネジメントを強化する在宅療養移行支援システムの開発
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19K19532
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
石川 倫子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80539172)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 診療看護師 / 症状マネジメント / 在宅療養移行支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、診療看護師(NP)による症状マネジメントを強化する在宅療養移行システムを開発することである。2021年度は、以下のことを実施した。 前年度に明らかにした患者・家族への在宅療養移行支援における診療看護師(NP)の役割から、診療看護師(NP)が在宅療養移行支援に関わることによって症状マネジメントを強化できることが示唆された。この結果を用いて質指標を作成し、全国の診療看護師(NP)の在宅療養移行支援の実態を踏まえて、システムを試案することとした。質指標の作成は在宅療養移行支援について経験豊富な診療看護師(NP)、つまりエキスパートの意見を反映する修正版デルファイ法を用いた。診療看護師(NP)の役割として抽出された10カテゴリーと国内外の文献を用いて、質指標の構成概念を明らかにし50項目からなる質指標の原案を作成した。次に、2回の質指標案の評価に関する質問紙調査と評価結果をもとに各指標の内容を検討会議で検討し修正する。質問紙調査では質指標案の妥当性、実施可能性、重要性、適切性の4つの観点から、9段階(1:そうでない、9:そうである)で評価してもらい、各指標の4つの観点に対する10名の評価の平均値を算出した。質指標の削除する基準は、4つの観点すべてが平均7.5以下の指標とした。1回目の質問紙調査結果では、平均7.5以下の項目は「予後から在宅療養できる期間を予測する」「本人らしい生活が維持できる間隔で電話訪問する」など7項目であった。【在宅で継続できる特定行為の実施】4項目、【訪問看護師と連携しての症状マネジメントの実施】6項目、【医療チームをつなぐ】4項目はすべて平均7.5以上であった。この結果を用いて診療看護師(NP)が行う症状マネジメントの特徴を踏まえた質指標を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、県外への移動が自粛され、面接調査を中断し、方法をオンラインに変更したために研究開始が遅れた。さらに、アクションリサーチは病院の協力が必要であるために、感染状況を見て時間をかけて調整をしてきた。しかし、感染対策を優先することが大切であり、研究方法を変更することとした。そのためにやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、在宅療養移行支援を行っている診療看護師(NP)の病院でアクションリサーチを実施することを中止し計画変更を行った。 診療看護師(NP)による症状マネジメントを強化する在宅療養移行支援システムを構築するにあたって、診療看護師(NP)の面接調査の結果をもとに、診療看護師(NP)の在宅療養移行支援に関する質指標を修正版デルファイ法にて作成している。その質指標を用いて診療看護師(NP)の在宅療養移行支援の実施状況を明らかした上で、有識者と検討を重ね、診療看護師(NP)による症状マネジメントを強化する在宅療養移行支援システムを提案する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大のために、当初計画のアクションリサーチが実施できなくなり、計画を変更して修正版デルファイ法による質指標の作成及び実態調査を実施することとしたため、その調査にかかる経費が必要になった。 2022年度は、診療看護師における在宅療養移行支援に関する質指標を用いての実態調査を実施する予定であり、調査用紙発送・回収やデータ入力・資料作成経費、国内外の文献取り寄せ、有識者への謝礼に用いる。
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