2022 Fiscal Year Research-status Report
Experimental study of error tendency to medication and effect of finger-pointing and calling for nurses
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19K19547
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
三戸部 純子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (10836844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬剤エラー / 正誤判断課題 / 類似薬剤名 / 類似薬剤量 |
Outline of Annual Research Achievements |
カタカナで構成される薬剤名と,数字と単位で構成される薬剤量を,それぞれ2回続けて単独呈示をした場合,薬剤名の方が薬剤量より差異の検出が困難であるということ,また,2つの文字列が一致しない場合の方が,一致する場合よりも差異検出が困難で,検出に時間を要するという結果について論文執筆を行った. 次の実験では,薬剤名と,数字と単位で構成される薬剤量を組み合わせて2回続けて呈示し,単独で呈示した場合と同様に,薬剤名が薬剤量よりも差異の検出が困難であるかを検討するために,実験計画を作成した.先の単独呈示の実験では,文字長が5または6文字であったが,薬剤名と薬剤量を組み合わせて呈示するため文字長が長くなる.そのため,3~5文字の薬剤名を「治療薬マニュアル2023」から選定した.3文字の薬剤名は少なかったため,4または5文字の薬剤名を採用し,それに合わせて4~5個の数字と単位を組み合わせたものを実験刺激として,呈示する文字長や呈示時間を決定するための予備実験を行った.その結果,文字長は最大9文字となるようにし,4文字の薬剤名と4個の数字と単位で構成される薬剤量を実験刺激とする.文字列は2回続けて呈示し,先行する文字列と後続する文字列が同じ一致条件と,薬剤名または薬剤量の数字の2文字の入れ替え,または文字の置き換えをする不一致条件を設定し,正誤判断を行う.また,薬剤名の後に薬剤量を表記する一般的な表記条件と,薬剤量の後に薬剤名がくる逆転条件を設定し,構成する薬剤情報の表示順によるエラー傾向を見る.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験計画に遅れが生じ,予備実験を実施するにとどまった.予備実験後に改めて実験刺激の作成をし直し,本実験に至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤名の文字長と,薬剤量である数字の文字長を一致させ,組み合わせて呈示した場合のエラー率と反応時間を測定し,単独呈示した場合と同様に,薬剤名の方が薬剤量よりも差異の検出が困難であるかどうかを検討する.また,薬剤名の後に薬剤量を表記した場合と,薬剤量の後に薬剤名を表記した場合を条件とし,位置による差異検出の困難さを見る. さらに,実際に使用されている薬剤に合わせ,最大9文字となるように,実在するカタカナ5~6文字の薬剤名と2~3個の数字と単位の薬剤を選定して実験刺激とし,薬剤名または薬剤量の差異検出に差が生じるかを検討する. その後,薬剤名,薬剤量,用法,投与経路といった情報を加え,実際の薬剤情報に近い形で,薬剤情報の見誤り,見逃しがどこに起こりやすいか,薬剤情報を探索するときの視線の動きとエラーの関係について検討を行う.
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Causes of Carryover |
勤務場所の変更に伴い,教育・日常業務への順応が必要となり,実験計画の作成にとどまり,実験遂行に至らなかった. 次年度の実験時の謝礼,論文執筆に係る費用,学会発表の費用に充てる.
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