2020 Fiscal Year Research-status Report
アクティブ・ラーニング手法を用いた放射線看護教育プログラムの開発
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19K19548
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
堀田 昇吾 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (70795707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線看護教育 / 卒後教育 / 演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年文部科学省の大学における看護系人材の養成の在り方に関する検討会から「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」が公表され、その中に「臨床現場の放射線」に関する教育が「放射線の医療利用による人間の反応」等という項目として位置づけられた。しかし、看護系大学は履修単位が過密であることや放射線看護教育に必要となる機器等の準備も十分でないことから、全ての大学の看護基礎教育で放射線に関する演習を実施するには限界がある。そのため、卒後教育において最低限必要な演習を行うことで、放射線看護教育を完結する必要があると考えた。そこで、本研究は、卒後教育におけるアクティブ・ラーニング手法を活用した放射線看護教育に関する研修プログラムを開発し、評価することを目的としている。 研究計画の段階では教育関係者や病院の放射線診断・治療に関わっている看護師、診療放射線技師・放射線科医へのインタビュー調査と、500名程度の診療放射線技師・放射線科医へのアンケート調査を経て放射線看護教育に必要な研修プログラムの演習項目を検討する予定であった。2019年度にはフォーカスグループインタビュー調査を実施したところ、新人看護師にこそ放射線看護教育に関する研修プログラムが必要であるという意見が多くみられた。2020年度は、さらに多くの対象者にインタビュー調査を行うと共に、インタビュー結果を基にした放射線技師や医師へのアンケート調査を実施する予定であったが、コロナ禍の影響でインタビュー調査自体が進まないため計画が中断している。そこで、これまでの知見を基にした放射線看護教育に関する研修プログラムの具体的内容を検討している。また、予定していた放射線技師や医師へのアンケート調査だけでなく、研修参加者に対して研修の評価に結び付けるためのアンケート調査を実施することを計画しており、学内の倫理審査委員会への提出書類を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため、2019年に引き続き行う予定であった、教育関係者や病院の放射線診断・治療に関わっている看護師、診療放射線技師・放射線科医へのインタビュー調査やスーパーバイザーとの打ち合わせ等が難航し、研修プログラムの具体的な内容を決めるためのアンケート項目の検討がまだ十分にできていない状態である。一方で、協力病院内の臨床現場で研修プログラムを実施するための準備を始める予定であったが、研修プログラム内容の検討が遅れているだけでなく、緊急事態宣言等が発出されている状況で、外部の人間が病院内に研修生を集めて研修を行うことに対して、病院との調整等が難航しており、現在も調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、放射線技師や放射線科医に広くアンケート調査を行い、それを基に研修プログラムを開発する予定であった。しかし、研究全体が遅れているため、研修プログラムの作成に関しては、これまで行った関係者へのインタビュー結果を重視することにしたい。また、研修実施後に、研修参加者へアンケート調査を実施することで、研修プログラムを評価しながら、改善していくことを検討している。また、開発したプログラムの実施は卒後教育を念頭に置いていたので、実際の臨床現場で行うことを予定していたが、教育機関である大学敷地内への実施場所変更も含めて調整を行なっている。大学敷地内であれば、病院内のように実際に検査を行う患者等に対して配慮する必要はなくなり、長期休暇等に研修時期を設定すれば、学生にも影響がほとんどないと考えるからである。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、2020年度に実施予定であったインタビュー調査およびアンケート調査が行えなかった。また、放射線看護教育プログラムの作成もアンケート調査等が行えなかったことによって実施できなかった。2021年度は2020年度に実施予定であった調査の実施および研修プログラムの作成等を実施していく予定である。その際には印刷費、郵送費、研修プログラムに必要な放射線測定機器を購入する必要があり、2021年度分の予算と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(1 results)