看護管理者のリーダーシップに着目した人材管理プログラムの開発

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K19553
• Research Institution: Kawasaki University of Medical Welfare
• Principal Investigator: 上野 瑞子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 准教授 (00808230)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 看護管理者 / リーダーシップ / オーセンティック・リーダーシップ / 人的資源管理

Outline of Annual Research Achievements

看護管理者オーセンティック・リーダーシップの尺度開発に向けて全国調査を実施した。令和4年5月に所属部署の倫理審査委員会で承認を得たのち、地方厚生局、医療機関届出情報データベースより医科（病院）から無作為に抽出した200施設の看護部長に協力依頼を行い、協力に同意が得られた施設の看護師及び准看護師1000名を対象としアンケート調査を実施した（令和4年8月から令和5年1月）。調査は新型コロナウィルス感染症拡大に伴う病院業務の煩雑さから、対象者を減少してする予定としていたが、アンケートに返答する時間が15分ほどであることを想定し、時間的拘束が短いと判断し予定通りの1000名を対象とし実施した。その結果、52施設より調査協力の同意が得られ、330名より回答があった。現在分析中であるが、得られたデータから対象者の基本属性については記述統計を行うことしている。そして看護師が認知する管理者のリーダーシップ行動は看護師の心理的well-beingに関連し、さらに看護師の組織阻害行動に影響すると仮定した因果関係モデルへのデータへの適合度を検討する予定である。因子構造モデルおよび因果関係モデルのデータへの適合性は、適合度指標Comparative Fit Index(CFI)とRoot Mean Square of Approximation（RMSEA）で判断し、パラメータの推定にはWeight Least Squares estimation with Mean and Variance（WLSMV）を使用することとし、これらの統計解析にはSPSS Satisfaction Ver.26およびMulti Plus 7.4を使用しながら進めている段階である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、調査対象施設の業務逼迫に関連し、研究依頼を躊躇していたことと、自身の業務多忙により研究の進捗状況に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

データ分析をいち早く進めるために、統計解析が専門の研究者に協力を得ながら「看護管理者オーセンティック・リーダーシップ」の尺度開発を完成させる。その成果を令和6年度開催の日本応用心理学会で発表できるように演題登録の準備に取り掛かりまた同時に論文執筆も行うこととする。
一方で近隣病院に勤務する看護管理者にインタビュー調査を行い、得られた結果が実践の場で応用できるかどうかの検証も質的研究を通して実施することとする。

Causes of Carryover

研究の進捗が遅れたため、次年度使用が生じた。使用計画としては、令和4年度の残金と令和5年度の入金額を合わせ、統計解析の専門家へのアドバイスをもらうための出張費、演題投稿のための費用などに用いる。