2021 Fiscal Year Research-status Report
家族システム論からみた精神障害を持つ人のきょうだいである経験の実態と支援の検討
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19K19566
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川添 美花 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (80758764)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | きょうだい / きょうだい支援 / 精神障害 / ナラティヴ / 体験 / 家族システム |
Outline of Annual Research Achievements |
厚生労働省により「精神保健福祉医療の改革ビジョン」が公表され、入院医療中心から地域生活中心へと改革が進むなか、精神障害がある人の地域生活を支える家族への支援も重要な課題となっている。その家族の中にはきょうだいも含まれている。精神障害を発症した同胞の存在により、家族システムの変更が余儀なくされる、きょうだい自身もケアラーとして役割を担うことになることで本来守られるべききょうだい自身の権利を侵害されている可能性もある。そのため、本研究の目的は、家族システムという視点から精神障害がある人のきょうだいがどのような経験をしていたかその実態を明らかにすることである。また、それにともない、精神障害がある人のきょうだいに対する支援の検討を目指している。 2021年度は、精神障害がある人が家族にいるということ、それにより経験したきょうだい自らの体験は、他者に語ることが容易なことではないため、本研究の目的を達成するためにどのようなインタビュー方法や内容等検討を行った。また、本研究の対象者の選定条件として、きょうだいに関する研究の多くは、きょうだい会などセルフヘルプグループに所属している方々が研究対象となることが多い。そのため、本研究ではセルフヘルプグループに所属しているきょうだいだけでなく、セルフヘルプグループに所属していないきょうだいも含めて実施するためのリクルート方法の検討等について検討を行った。次年度以降は実施に向けて具体的な準備を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、2021年度はインタビュー調査を実施する予定であったが、COVID-19の影響による研究エフォートの減少等の理由から作業が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査内容はセンシティブな内容も含まれる可能性もあるため、対象者との関係構築を丁寧に行う必要があると考え、対面での複数回のインタビューを予定していた。また、対象者の生まれ育った地域特性への影響も考慮するため、都市部だけでなく、広範囲の地域に暮らす対象者をリクルートする予定であった。 今年度は、COVID-19の影響も考慮し、感染対策に十分留意しつつ、対象者とのインタビューを丁寧に行うためにはどのようなインタビュー方法がよいか等を再度検討し、インタビューを実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、研究の進行が遅れているためインタビュー調査に伴う旅費や謝金の使用がなかったこと、また遠方への学会参加を予定していたが全てオンラインでの実施となり、旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。
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