2020 Fiscal Year Research-status Report
ロボット支援手術を受ける前立腺がん患者のサバイバーシップ支援充実に向けた研究
Project/Area Number |
19K19596
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
川口 寛介 富山県立大学, 看護学部, 講師 (70755868)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前立腺がん / ロボット支援前立腺全摘除術 / サバイバーシップ / QOL / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ロボット支援手術を受ける前立腺がん患者のサバイバーシップ支援充実に向けたエビデンスを明らかにすることである。具体的内容は、ロ ボット支援手術を受けた前立腺がん患者を対象に、手術前から術後1年間のQOL、自己効力感、日常生活体験について評価を行い、効果的な介入時期や内容、介入 対象者についてコンセンサスを得る。そして、問題解決療法およびセルフモニタリングをベースとした支援プログラムを作成し介入研究を行い、その有効性の検 証を行うことである。 2020年度は、前年度の研究内容から得られた知見を基に、自己効力感とQOLとの関連についてより詳細な分析を行った。その結果、自己効力感の高い者は低い者に比べ、QOLが高いことが明らかとなった。特に術後早期ほど、その傾向が強く、術後早期のQOL回復に自己効力感を関連することが示唆された。一方で、術後尿失禁が重度の場合は、自己効力感とQOLとの関連が認められなかった。排尿ケアと自己効力感を高める支援を組み合わせた複合的なプログラムも今後視野に入れることが重要である。成果の一部はInternational Journal of Clinical Oncology (IJCO)に論文掲載された。 また、術後患者の実際の日常生活における行動や感情と自己効力感のと関連について分析を行い、自己効力感向上につながる具体的内容について示唆を得た。これらの分析結果については、今後論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入研究の計画立案を予定していたが、新型コロナウイルス流行に伴い介入研究の実施可能性の目処が立たず、実施できなかった。そのため、データのより詳細な分析に時間を充てた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、自己効力感を高める支援プログラムの有効性検証のための介入研究デザインについて検討し、介入研究実施に向け取り組んでいく。また、現時点で得られた知見について、随時、論文投稿および学会発表を行い研究成果を発信する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行に伴い、解析作業を中心に行ったため。次年度は当初の計画に加え、2020年解析結果の論文投稿および学会発表を行う。
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Research Products
(1 results)