2020 Fiscal Year Research-status Report
若年の乳がん患者がパートナーとの関係性構築において困難さを抱く過程
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19K19605
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
吉川 あゆみ 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (00825755)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳がん / 若年性乳がん / ホルモン療法 / パートナー / 関係性構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、わが国において、乳がんの罹患率は増加傾向にあり、特に若年層での罹患が増加している。手術による乳房の変形のみならず、長期にわたるホルモン療法は更年期様の症状といった身体的症状を引き起こす可能性があり、それに関連して女性性やセクシュアリティといった心理社会面への影響も大きいといえる。乳がんは10年生存率が約8割と高く、患者は治療後も、がん罹患前と変わらない日常生活を送ることができる。本研究では、ホルモン療法を受け、現在、婚姻状態にない若年の乳がん患者が、パートナーとの関係を構築することで生じる困難さを含む変化とその対処の過程を明らかにし、その過程を説明するための理論構築を目的としている。 2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究対象者に対し対面でのインタビュー実施が困難な状況となったため、研究協力者と研究対象者のリクルート方法と研究方法の検討(対面のインタビューからオンラインインタビューに変更)を行い変更した。そのため、研究計画書や研究対象者への研究の説明書など必要な資料の修正を行い、所属施設の倫理審査委員会に承認を得た。 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究参加候補施設の倫理審査委員会に遅れが生じ承認までに時間が必要な状況であったが、2020年12月に承認が得られた。その後、研究対象者をリクルートしオンラインインタビューを開始した。現在、6名の研究対象者のインタビューが終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、2020年度にはデータ収集を終了する予定であった。しかし、2020年度は新型コロナウイルス感染症による研究対象者のリクルート方法や研究方法の再検討が必要となったこと、研究参加施設の倫理審査の遅れが生じたことにより、2021年1月から研究対象者のリクルートを開始した。 また、研究参加施設の乳腺外来において選考条件を満たす対象者が少なく、研究対象者のリクルートに時間がかかっている状況である。 現在、研究対象者6名のインタビューを終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年4月より、研究代表者の所属施設が変更となった。そのため、再度研究参加施設と研究者の所属施設の倫理審査(変更申請)を受ける必要があり、現在申請中である。両施設の倫理審査の承認が得られた後、研究対象者のリクルートを再開しデータ収集を実施する予定である。上記の理由と新型コロナウイルス感染症による研究計画の遅れにより、データ収集期間を2021年10月まで延長し、スケジュールの修正を行う必要がある。 インタビューデータは、インタビュー終了後直ちに逐語録に起こし分析を行い、論文作成に着手していく。
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Causes of Carryover |
データ収集方法が、オンラインインタビューに変更となったため交通費と、データ収集が終了していないため、研究対象者への資料の郵送料や謝礼の金額が未使用のため次年度使用額に差が生じた。 研究代表者の所属機関が変更となり連絡先が変更となった。所属機関変更後も研究対象者と連絡をとるために2020年度2月より携帯電話をレンタルしており毎月レンタル料金が発生する。また、オンラインインタビューのために2021年4月よりZoomと契約した。そのため、交通費として使用する予定であった費用は、携帯電話のレンタル料金とZoomの契約金に充てる予定である。 次に、2021年度もデータ収集が継続となるため、研究対象者への資料の郵送料や謝礼に費用を使用する予定である。
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