2019 Fiscal Year Research-status Report
人工呼吸器患者におけるVAP予防のための梨状窩吸引による有効性の検証
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19K19621
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
乾 友紀 (熊澤) 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (20571730)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人工呼吸器関連肺炎 / 予防 / 梨状窩吸引 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人工呼吸器関連肺炎(ventilator associated-pneumonia: VAP)を予防するための、梨状窩吸引の効果の検証であった。 研究実施機関との調整を進める中で、本研究の目的達成における困難性が生じため、研究計画を一部修正・変更している。修正点として、人工呼吸器患者のVAP予防のために、梨状窩吸引により咽頭分泌物を採取し、分泌物中の細菌量を定量し、VAP発生との関連や実態を調査することとした。 2020年度は、研究チームを組織化し、共同研究者との具体的な研究計画の立案を行うとともに、研究協力を依頼する病院関係者との具体的な調整を行った。また、研究者所属の倫理審査委員会および研究実施施設の倫理審査委員会に審査を諮り、研究実施についての承認を得ている段階にある。今後、研究実施に向けての準備、調整を行っていく予定である。本研究は病院内の重症集中治療施設(ICU・CCU)を対象病棟としていることから、新型コロナウイルスの感染拡大により医療現場が逼迫する状況に陥る可能性も考えられ、慎重に実施について検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の計画として、人工呼吸器装着患者のVAP予防として、梨状窩吸引を独立変数とし、その予防効果を明らかにすることを考えていたが、当初の予測よりVAP発生件数が少ない状況であり、有効性の検証が困難であることを考え、研究目的の一部変更に至った。しかし、2019年度においては、データ収集に向けての準備として、研究チームの組織化や調整、研究倫理審査委員会による審査を経ており、研究の進展としてはおおむね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は研究実施施設のICU・CCUにおいて、研究協力者とともにデータ収集を行う予定である。対象は人工呼吸器装着患者であり、咽頭分泌物を梨状窩吸引により採取し、保管する。採取にあたっては、ICU・CCUにおけるリーダークラスの看護師に協力を依頼し、梨状窩吸引方法について教育を行う。また、対象患者については、対象者の基礎情報とともに、VAP発症に関わる因子としてVAP臨床判定基準を基にしたデータ、経過記録、看護ケア実施内容を収集する。 前述のとおり、本研究は病院内の重症集中治療施設(ICU・CCU)を対象病棟としている。本研究では対象者に肺炎患者は含まれていないが、今後、新型コロナウイルスの感染拡大により医療現場が逼迫する状況に陥る可能性も考えられる。実施については、対象病院・病棟と相互に連携し、調整しながら慎重に検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は研究に使用するPC・設定費、文献費等に使用した。2020年度の使用額へ大幅に繰り越しているが、これらはデータ収集を行う際に購入する吸引モデルや消耗品等に使用するための費用であるため、データ収集開始の目途がつき、実施に向けての準備を行う際に段階的に購入していく予定である。また、旅費については新型コロナウイルス感染拡大の影響で参加予定の学会開催が中止になり、使用していない。今後の開催の動向に注視しながら、使用していく予定である。
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