2022 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦の血圧上昇に影響する因子~生活に密着した視点から~
Project/Area Number |
19K19662
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
宗 由里子 京都橘大学, 看護学部, 研究員 (50756286)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 妊婦 / 血圧 / 妊娠高血圧症候群 / 身体活動量 / 子どもの世話 / 健康教育 / 保健指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究背景・研究目的】妊婦の血圧上昇に影響する因子を生活に密着した視点で明らかにすることを目的に前向き縦断調査を実施し、妊婦と非妊婦やリスク因子で比較し、血圧の上昇に影響する要因を明らかにし、妊婦への看護ケアのあり方や生活に密着した具体的.な健康教育について考察する。 【研究方法】非妊婦6名、妊娠32週以降の妊婦12名の協力を得て5日間の家庭血圧測定(起床時・就寝時)、時計型アクチグラフの装着、睡眠時間の自己記入を行い、2~4日目の連続48時間を解析した。 【研究結果】妊婦の平均年齢は31.3±2.9歳、非妊時BMIは21.9±3.2、家族歴有は5名、経産婦は4名、非妊婦の平均年齢は34.2±6.0歳、BMIは21.7±3.7、家族歴有は4名、経産婦は3名であり、妊娠高血圧症候群等の高血圧リスクとなる既往歴は全員無しであった。 身体活動は身体活動量(count/分)、中途覚醒(分)、入眠潜時(分)を調査し、家庭血圧と身体活動を妊娠、家族歴、子どもの有無や睡眠状況で比較し分析を実施した。その結果、有意差(<0.01)がみられたのは、子どもの有無による入眠潜時で(p=0.006)あった。妊娠や家族歴の有無、睡眠状況で有意差はみられなかった。また、子どもの有無で就寝前より起床時の血圧に差が大きく、子ども有のほうが起床時の血圧が高かった。(収縮期血圧p=0.043/拡張期血圧p=0.049(片側)) 【考察】妊婦の血圧上昇を抑制したい場合、一般的に「安静」と「ストレスを避ける」という保健指導を行うとされているが、生活に密着した視点での具体的な指導内容については明らかにされていない。本研究で子どもがいる方が臥床してから入眠に至るまでの時間が短く、かつ起床時の血圧は高いことが明らかになったため、子どものいる場合は上の子の世話を頼むことで休息が取れる環境をつくることを勧める必要性が示唆された。
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