2021 Fiscal Year Research-status Report
生後早期における父子の関係性構築支援を目的とした介入効果の検証
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19K19668
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
矢郷 哲志 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (00778243)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 父親 / 関係性支援 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
Newborn Behavioral Observations (NBO) systemに関連する国内外の先行研究について、小児看護及び助産領域の研究者による共同研究グループを構成し、スコーピングレビューを実施した。現在、研究結果を学術雑誌にて公表する準備を進めている。 レビューはPRISMA ScRに準拠し、データベースとしてPubMed、CINAHL、MEDLINE、Google Scholar、医学中央雑誌Web版、CiNiiを用いた。対象論文は、2006年~2021年1月に発行され、NBOを観察・介入ツールとして使用し、英語又は日本語で記載された論文に限定して検索を行った。結果の収集、要約、報告においてはPAGER frameworkを用い、論文検索ならびに選定のプロセスは2名の独立した研究者が行った。 460件の論文が抽出され、包含基準に従って22件を分析対象とした。分析の結果、1)NBOの使用形態、2)NBOによる介入の対象者、場所、期間、頻度、3)NBOによる介入のアウトカム指標と効果、4)質的研究からの知見の4つのテーマが抽出された。 本レビューの結果から、NBOは多様な専門職によって活用され、様々な文脈、文化に適応可能な親子の関係性支援を目的とした介入ツールであることが確認された。一方で、欧米諸国に偏った研究知見、アジア及びアフリカ地域における無作為化比較試験の不足、縦断研究による中長期的な介入効果の検証の不足、父親を含めた母親以外の家族への介入効果の検討の不足などの研究ギャップが同定された。今後、それらの研究ギャップに取り組み、日本の父子、母子に対するNBOの介入効果を検証することの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、免疫機能の脆弱な出生直後の親子に対面して、直接的に介入することを必要とする。そのため、本年度も、新型コロナウィルス感染症に対する予防的観点や、感染拡大に伴う研究活動制限の影響から本来の介入研究の遂行が困難な状況にあった。今後の介入研究は、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、対象者の安全に十分に配慮しながら遂行していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大状況を鑑みながら、非構造化インタビューによる質的研究のデータ収集を優先的に実施する。その上で、介入研究(量的研究)を開始し、データ収集を加速させ、質的データと量的データの統合を図る。2021年度に実施したスコーピングレビューについては、2022年度内の学術雑誌における公表を企図している。
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Causes of Carryover |
本研究プロジェクトは、特に厳重な感染予防対策が求められる出生直後の親子に直接対面し、介入することが求められる。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大が収束を見ない現状において、研究プロジェクトを計画通りに遂行することが困難であった。2022年度は、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえながら、2021年度に実施したスコーピングレビューの結果も踏まえて、非構造化インタビューによる質的データの収集に優先的に取り組み分析を行う。その後、量的データの収集を開始し、質的データと量的データの統合を図る予定である。
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Remarks |
矢郷哲志他,NBOの研究,NBAS/NBO公開講座&Introduction Course 2021, 2021年7月17日,オンライン(Webinar)
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