2021 Fiscal Year Research-status Report
地域に根ざした小児在宅ケアに向けた看護職の協働促進モデルの構築
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19K19678
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
原 瑞恵 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (10527427)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在宅ケア / 障がいのある子ども / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度から2020は、岩手県内の在宅ケアが必要な子どもを養育する家族の思いと、子どもの状態や家族の状況、サポートとの関連を明らかにする目的でアンケート調査を行った。2021年度は、そのアンケート調査を分析し、学会発表をした。調査協力が得られた家族は280名(回収率78.0%)、有効回答は262名(93.6%)であった。 家族の子育てへの気持ちに関する32項目を因子分析し、第1因子「子どもとの相互作用の実感」、第2因子「日々の生活や社会への順応」、第3因子「ケア技術への自信」、第4因子「情緒の把握」、第5因子「愛着」に分類した。家族の子育てへの気持ちにおいて「ケア技術への自信」の得点が高く、「日々の生活や社会への順応」の得点が低かった。 子どもの体調の不安定さや経済的・将来への不安があるほど、「子どもとの相互作用の実感」「子どもと社会との生活に順応」の得点が低かった。家族が子どもの状態や生活への見通しがつかないことが、子育てを楽しむことや社会とのつながりを実感しづらくしているのではないかと考える。「子どもとの相互作用の実感」「子どもと社会との生活に順応」「情緒の把握」について、家族の体調が不安定なほど得点が低く、家族へのサポートがあるほど高かった。家族が子どもの気持ちを理解し子育てを楽しみことや、社会とのつながりをもつためには、家族の健康状態を良好に保つサポートが必要である。 家族は子育てをするうえでの心配には、子どもの成長発達に伴う心配、在宅ケアを継続することのつらさや気がかり、子どもの将来に見通しが立たないことへの心配、医療や福祉サービスが不足していることへの物足りなさ、社会の障がいに対する理解や認識の低さがあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・2021年度は、①【在宅ケアを必要とする障がい児の状況と小児在宅ケアの現状把握】のためのアンケート調査の分析を行い、学会発表をした。 ・アンケート調査をふまえて、②【地域の状況をふまえた小児在宅ケアに携わる看護職間の協働促進プログラム作成】として、看護職を中心とした小児在宅ケアに関する研修会を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、アンケート調査をふまえ、②【地域の状況をふまえた小児在宅ケアに携わる看護職間の協働促進プログラム作成】として、看護職を中心とした小児在宅ケアに関する研修会をすすめ、地域に根ざした小児在宅ケアに向けた看護職の協働促進モデルの構築を行っていく。
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Causes of Carryover |
2021年度は学会発表の費用、アンケート調査の結果をふまえた研修会および意見交換の企画、案内送付等に使用した。引き続き、次年度も研修会および意見交換の企画に使用する。また、2022年度は、最終年度であるため研究課題をまとめ、報告書作成のために使用していきたい。
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