2019 Fiscal Year Research-status Report
退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの概念構築
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19K19679
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
辻本 健 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10825285)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児がん / 親 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの現状・レジリエンスを高める要因を定量的に測定し、レジリエンスを高めることにつながった体験を質的に分析して、混合研究法によって退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの概念構築を目的としている。2019年度は、下記の通り、研究を行った。 1.退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの現状・レジリエンスを高める要因を定量的に測定するための質問紙作成に向けて、小児がん患児をもつ親のレジリエンスの概念分析を行った。対象文献の収集は、文献データベースソフトである「医学中央雑誌」、「PubMed」を用いて文献検索を行った。収集期間は1959年から2020年1月までであり、検索キーワードは”Resilience”、”Parents”、” Childhood Cancer”、”レジリエンス”、”親”、”小児がん”として検索した。データ分析はRodgers(2000)の概念分析アプローチに基づき、小児がんの患児をもつ親の「属性(4項目)」、「先行要件(6項目)」、「帰結(5項目)」に関連する記述内容を分類整理し、小児がん患児をもつ親のレジリエンスの概念を明らかにした。 2.概念分析の結果が小児がん患児の親に適応可能であるか検討した。予備調査で行った小児がん患児をもつ親のインタビュー結果を再度分析し、概念分析の結果と照らし合わせた。その結果、小児がん患児をもつ親のレジリエンスは、小児がん患児の親に適応可能な概念であることを確認した。予備調査で行った小児がん患児をもつ親のインタビュー結果は、2020年3月にWANS(International Nursing Research Conference of World Academy of Nursing Science)にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、先行研究の整理と概念分析、質問紙を作成する計画であった。しかし、研究で扱うレジリエンスの概念の定義が多様であり、整理に時間を要して、質問紙を作成するまでに至っていない。しかしながら、小児がん患児をもつ親のレジリエンスの概念を明らかにし、予備調査より適応可能な概念であることを確認したことは次年度の実施に有用な情報を得ることができたと考える。したがって、当初の計画よりやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は概念分析の結果から質問紙を作成し、調査対象者の確保、配布、分析を行っていく予定である。これらの質問紙調査の実施に加えて、質的調査のインタビューガイドを作成し、小児がん患児をもつ親のレジリエンスの概念構築を行っていく。
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Causes of Carryover |
2019年度は、先行研究の整理と概念分析、質問紙を作成する計画であったが、到達状況としては、質問紙を作成するまでに至っていない。次年度使用額が生じた理由は、研究が遅れたことにより質問紙の作成・配布に関わる物品購入や質問紙の印刷ができなかったためである。今後の使用計画は質問紙作成に必要な物品の購入、印刷費、郵送費、研究参加者への謝礼品購入、学会発表のための旅費、論文投稿費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)