2022 Fiscal Year Research-status Report
退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの概念構築
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19K19679
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
辻本 健 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10825285)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児がん / 親 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの現状・レジリエンスを高める要因を定量的に測定し、レジリエンスを高めることにつながった体験を質的に分析して、混合研究法によって退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの概念構築を目的としている。2022年度は、下記の通り、研究を行った。
1.新たな研究対象施設の検討 新型コロナウイルスの影響もあり、思うような回収率が得られていない状況であったため、新たな研究対象施設を検討後、日本小児がん研究グループの治療を実施している3施設に協力依頼をし、質問紙調査の回収数の増加を見込んだ。しかし、新たな研究対象施設は増やすことができなかった。 2.質問紙調査の分析 質問紙の内容は、個人属性(10項目)、ソーシャルサポート(12項目)、SOC(13項目)、レジリエンス(25項目)、PTSD(22項目)、レジリエンスの体験(自由記述項目:3項目)、計85項目である。量的データと質的データを分析し、結果の統合をしている。統計分析は、記述統計量を算出後、t検定を行い有意水準はp<0.05と設定し,データ分析にはSPSS statistics Ver.23を用いた。結果、小児がん患児をもつ両親のIES-R得点25点以上のPTSDハイリスク群は9名(20%)、ローリスク群は28名(62.2%)であった。また、ローリスク群はハイリスク群に比べ、SOCの「把握可能感」、「有意味感」の関連が明らかになった(p=0.02、p=0.41)。さらに、ハイリスク群はローリスク群に比べ、レジリエンスの平均点が7.21点低かった。量的データの結果は、2023年9月の日本小児がん看護学会学術集会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、論文投稿の計画であった。2022年度に行った新たな研究施設の検討と質問紙の分析を行ったためやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は質問紙の質的データと量的データを統合し、小児がん患児をもつ親のレジリエンスの概念構築を行っていく予定である。これらに加えて、学会発表、論文投稿を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は、論文投稿の計画であったが、到達状況としては、質問紙の統計分析までとなっている。次年度使用額が生じた理由は、学会発表と論文投稿の予定であったが、対象者が予定より少なく増加を図ろうと計画したため、分析が予定より遅れている。今後の使用計画は印刷費、郵送費、分析ソフトの購入、学会発表のための旅費、論文投稿費、として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)