2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the Relationship between the Non-Reassuring Pattern of CTG and Maternal Risk Factors at a Referral Hospital in Zambia
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19K19684
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤田 和佳子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (10732753)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胎児心拍数モニタリング / ハイリスク妊娠 / ザンビア / 分娩監視装置 / 助産師 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年8月にマテロレベル1病院で予備調査を実施した。入院時、現地の助産師により胎児心拍数聴取を含むルーチンの診察がなされた後に、産婦に対して研究の説明と同意確認を行い、18名の産婦から協力を得た。モバイルCTG(分娩監視装置)を20-30分間装着し、入院時の母体ハイリスク因子に関する情報を収集した。2020年度は、2-3月と5月に本調査を予定したいたものの、新型コロナウイルス感染症の拡大により、計画通りに本調査を実施することができなかった。例数が少ないものの、予備調査で得られたデータを分析し、以下のことが明らかになった。 CTG判定は、正常波形(レベル1及びレベル2)が66.7%、異常波形(レベル3以上)が33.3%であった。異常波形は全てレベル3であった。WHOパルトグラムの基準に照らすと、分娩活動期(子宮口開大度4センチ以上)が、分娩潜伏期(子宮口開大度4センチ未満)に比べて、有意に異常波形の割合が高かった(P<0.05)。また、異常波形を示した活動期の事例は全て破水を伴っていた。うち、2事例は羊水混濁を呈していた。 母体のハイリスク因子は、活動期の事例では、『破水』に加えて『BMI25以上の肥満』、『潜伏期遷延』が該当した。潜伏期の事例では、『HIV陽性妊婦』『35歳以上の高齢妊婦』『前回帝王切開』『羊水過多の診断』の全てを合併している事例と『10代の若年妊婦』であった。 以上のことから、2つのことが考察できた。1つは、活動期の破水事例に対して、現行のトラウベを用いた間歇的聴取では、胎児心拍数の異常を発見できていないことが明らかになった。活動期の破水事例には、胎児心拍数低下のリスクが高く、入念な胎児心拍数モニタリングが必要なことが示唆された。また、妊婦健診ですでに得られている母体ハイリスク情報が、入院時の胎児の健康状態の査定に活かせていない課題が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年2-3月及び5月に本調査を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大学の海外渡航制限があり、現地への渡航が困難になったため、計画していた時期に本調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の計画を以下の通り遂行する。4-5月にザンビア大学医学系倫理審査委員会の延長申請を行う。また、再度、8月の本調査実施のためにマテロレベル1病院との調整を行う。当初予定していたリビングストン病院は、調査期間が限られているために実施しない。8月は2週間程度の調査期間を確保し、研究代表者を含む、現地リサーチアシスタントを確保できるように進める。長崎大学の新型コロナ感染症に関する指針に則り、本調査が遂行できるよう必要な手続きを行う。日本において新型コロナ感染症が急拡大した際には、現地の入国制限について情報収集に努める。 また、予備調査の事例について論文化する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大により、ザンビアに渡航して本調査が行えなかったため、旅費と謝金の使用がなかった。次年度の本調査で使用予定。
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