2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of guidelines of community-based activites for health promotion focus on organizational learning
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19K19700
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
霜越 多麻美 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (80723650)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保健師 / 住民参加 / 健康づくり / 地域組織 / 組織学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度行った「住民と保健師の協働による地域組織活動における組織学習の実践に関する調査(質問紙)」調査について,集計と分析を行った。調査対象は市町村保健師で層別無作為抽出を行い無記名の郵送調査を行った。結果は次の通りである。配布数300に対し,回収数91,有効回答数89(30.0%)であった。地域組織の59%が健康推進員や保健推進員であった。参加者人数の中央値83人(7-4475),組織の活動年数の中央値は22年(2-71)であった。地域組織の課題として,後継者不足や参加者の高齢化が75.3%と最も多く,主体的な活動にならない49.4%等であった(複数回答)。会議や研修などを98.9%が実施しており,ほとんどの地域組織では参加者が集う場があった。組織学習の実践について20項目を4件法で回答を求めたところ平均59.8点,リーダーの組織づくり8項目が平均24.9点,保健師の意見交換の場への関わり9項目が31.2点であった。これらの結果から,①全国各地で住民主体の地域組織が健康づくり活動を展開しているが,多くが後継者不足等の課題を抱えていた。②住民主体の地域組織では組織学習が概ね実践されており,保健師もこうした活動が発展していくための支援を心掛けていた。 この調査結果について日本公衆衛生学会総会にてポスター発表を行った。組織学習に関する質問が出され,公衆衛生の分野では組織学習の概念はあまり浸透していない状況が示された。本調査から住民主体の地域組織では組織学習が実践されていることが明らかにされたので,今後,この分野での組織学習の理論や概念について,状況を整理し,実践モデルを開発し,その活用と普及が見込まれると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者は別の大学への異動となり,4月に着任した。新型コロナウィルスの感染拡大の第一波と重なったため,着任後,不慣れな環境下に加え,オンラインを活用した授業や実習に編成するための準備・運営する業務に従事するような不安定な状況が続き,研究の時間が取れるような環境ではなかった,
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大により,住民主体の地域組織活動がほとんど中止され市町村保健師も新型コロナウィルス対応に追われている。今年度は市町村保健師に組織学習理論の実践モデルに関する調査を行う予定だったが,その見通しが立っていない。ただし,ワクチン接種が進み,徐々に日常が戻ってきたらすぐに調査ができるように準備を整えることを予定している。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動と新型コロナウィルスの感染による研究活動の制限により次年度使用額が大幅に生じた。本研究は残りの2回の調査とこれらの発表等があり,このための予算であるため,コロナウイルスの感染状況に配慮しながら予定されている研究活動を行う。
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Research Products
(1 results)