2022 Fiscal Year Annual Research Report
精神科デイケアにおけるリカバリー支援心理教育プログラムの標準的実施の可能性
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19K19741
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
杉本 圭以子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (10739577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神科デイケア / パーソナルリカバリー / IMR / リカバリー支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、IMR実施経験がある精神科デイケアスタッフのリカバリーに対する考え方の変化について面接調査結果を分析した。スタッフは参加者が語る希望や目標を聴いた時、IMR担当前はその目標を達成することは「無理ではないか」と感じ目標を修正する姿勢があったが、IMR担当後は参加者から表出された希望や目標をそのまま受け止め、一緒に現実的に修正することを経験していた。IMR実施によりスタッフのリカバリー志向が高まったことが推察された。 研究期間全体を通して、精神科デイケアで実施するIMRへの参加により、参加者のリカバリーゴールは多様化し実現するための行動範囲が広がり、パーソナルリカバリーの長期的な促進が推測された。要因として目標設定とマネジメントスキルを獲得し日常生活に活かすプログラムの内容と、参加者同士のコミュニケーションに自信が持て、自らの疾患に対する考え方が変化したことが挙げられた。スタッフへの面接調査から、安心して自己開示できロールモデルを得ることがリカバリー促進に有効であるとスタッフが感じていることが明らかになり、リカバリー促進にピアサポートの重要性が推測された。 すなわちIMRを精神科デイケアで実施することにより、参加者はパーソナルリカバリーが促進され、担当したスタッフのリカバリー志向も高まることが推察された。県内精神科デイケアへの実施支援について、研究実施期間中は感染症対策のため病院、クリニックを訪問することが難しく新たにIMRを開始できたのは1クリニックのみであった。情報発信として、看護職への研修(オンライン)の一部としてIMR参加者およびスタッフの意見交換の場を設け、県内複数の精神科デイケアでの実施状況を共有することができた。他県の医療機関からの参加もあり情報共有とともに交流する場を設ける活動ができた。また、研究結果を広く伝えるためHPを作成し情報発信した。
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