2019 Fiscal Year Research-status Report
科学技術と実践情報を統合した終末期患者の予後予測指標の開発
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19K19755
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
石川 孝子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (90779927)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自宅看取り / 予後理解を促す支援 / 予後予測 / サンサリング |
Outline of Annual Research Achievements |
4年計画の初年度である令和元年度の研究計画は、終末期患者の予後予測の判断根拠となる主観的指標の要素を抽出することを目標に、文献検討と訪問看護師へのインタビュー調査をすることであった。 文献検討において、国内外の予後予測の判断根拠となる指標に関する研究知見を整理した結果、①検査データ等の使用および医師による専門的知識を用いる必要がある指標、②看護師により判断が可能な指標、③介護職および家族により判断が可能な指標を抽出した。 さらに、「生体データ」について実績のある企業や研究者にヒアリング調査を実施し、非接触で「生体データ」として測定する項目とそれらを測定できるセンシング機器を明らかにした。その結果、バイタルデータ(体温、呼吸、脈等)、睡眠状態、ADLの状態(移動状況など)および環境データ(温度、湿度、騒音、照度等)を測定するためのセンシング機器が明らかになった。 その後、実際にセンシング機器を使用している現場において、看護師および患者にインタビュー調査を実施した。インタビュー内容は、看護師からは機器の設置方法、充電持続期間に応じた電池の取り換えの方法、およびコンセントによる転倒防止等の安全確保対策、そして患者からはセンシング機器による実践データ収集の負担および使用感であった。あわせて、選定した生体データ、観察データ、患者の主観的データについての実際のデータのサンプルを確認した。その結果、終末期患者の予後予測の判断根拠となる主観的指標を特定するためには、センシング機器から得られる生体データだけではなく、ケアを実施する訪問看護師らが実施するケア内容および観察内容からの情報を収集し統合していくことが必要であることが明らかになった。これについては、カルテ記録や看護計画を基に、次年度さらに検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は、文献検討によって得られた、予後予測の判断根拠となる指標に関する研究知見が実際の現場に即したものであるかどうかを判断するために、訪問看護師へのインタビュー調査を実施する予定であったが実施できていない状況である。しかし、計画していた内容以外に、実際にセンシング機器を使用している現場において、看護師および患者にインタビュー調査を実施する機会を得ることができた。これにより、終末期患者の予後予測の判断根拠となる主観的指標を特定するための今後の課題が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、死亡前2~3か月に起こる患者の生体情報について前向きに計測を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染予防を考慮し、既に得られている患者からの情報を後ろ向きに調査していく計画に変更し実施していくこととした。 令和2年度は、以下のように研究を推進する計画である。 ①実際にセンシング機器を使用している現場において、すでに死亡した患者のカルテおよび生体情報を用いて死亡前2~3か月に起こった患者の状況を把握する ②実際にセンシング機器を使用している現場において、看護師および介護士からインタビュー調査を行い、①で把握した患者の状況についての追加情報をヒアリングする
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Causes of Carryover |
1年目に計画していた訪問看護師へのインタビュー調査が完遂できなかった。そのため、次年度に繰り越した助成金については、実際にセンシング機器を使用している現場の看護師および介護士へのインタビュー調査のための旅費、謝金、テープおこしなどのその他、分析のための物品費に使用する計画である。
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