2022 Fiscal Year Research-status Report
社会資源が限定的な地域における精神障がい者のリカバリーを促進する支援モデルの検討
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19K19766
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
今野 浩之 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60573904)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / リカバリー / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、社会福祉法の改正により令和3年4月から実施されている「重層的支援体制整備事業」を鑑み、インタビューの対象者を地域包括支援センターの職員(保健師)に限定せず、精神障がい者支援に関わる者と拡大し、行政における関係職員、訪問看護ステーションに勤務する看護師、相談支援事業所等の職員を予定していた。一方、COVID-19が第7波第8波と続く中、インタビュー対象施設においても施設内における感染症対応はもとより、COVID-19に関連する通常業務以外の業務の増加があったため、研究対象者に対する調査が困難な状況が継続した。 本研究テーマに関する研究の骨子を再度把握するため、昨今の制度変更による全国自治体や関係機関の状況に関する調査報告等のリサーチを行った。また、既存資料による情報収集と文献検討等をすすめた。「重層的支援体制整備事業」により、子供・高齢者・障がい者など全ての人々が地域、地域において「属性を問わない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」の3つの支援を一体的に実施することが掲げられているが、地域ごとの既存する団体の位置づけが異なることや、各々の施設間における連携等の課題があることが示されていた。また、支援対象者についても、社会や人々との関係性が希薄になるというコロナ禍における特有の課題が新たに発生していた。コロナ禍に生じている混在する課題を整理しながら、今後調査を進めていく必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大が収束せず、当初予定していた対象者へのインタビュー調査が難航した。また、法改正による支援体制の変更があり、本研究との位置づけを再度確認することを優先する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の終了期間を延長し2023年度までとする。 昨年度の計画同様、インタビューの対象者を地域包括支援センターの職員(保健師)に限定せず、精神障がい者の支援に関わる者とし、行政や訪問看護、相談支援事業所等の職員等、多角的なアプローチを行っていく。COVID-19の感染症法上の位置づけが変更になったが、研究対象が所属する施設のCOVID-19への対応は当面継続されるものと予想される。その状況によってはオンライン等を用いインタビュー調査を実施予定である。 これまでにまとめた本研究に関連する文献検討、研究成果については学会発表および学術雑誌への投稿を随時実施する。
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Causes of Carryover |
2020年度もCOVID-19の感染拡大に伴い、研修会や学会等もオンライン開催が主となり、旅費の支出が不要となった。 2023年度5月からCOVID-19の感染症法上の位置づけが変更になることから、研修会や学会等への現地での参加が緩和されると思われる。研修会や学会への参加が可能の場合は旅費等の支出を予定通り行う。一方、感染対策が継続される中で、引き続きオンラインを中心とした方法になることも想定される。研究フィールドフィールドと調整しながら、通信費や機器の整備費として当初経費の用途を変更することも考慮する。
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