2019 Fiscal Year Research-status Report
コートジボワール住民のヘルスリテラシ―と高血圧・肥満の知識・意識・行動の実態
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19K19768
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
碓井 瑠衣 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80805549)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コートジボワール / 肥満 / ヘルスリテラシー / 西アフリカ / 市場 / 商人 / NCDs |
Outline of Annual Research Achievements |
世界の死因第一位である非感染性疾患(NCDs)は西アフリカのコートジボワールにおいても死因の約3割を占め、特に要因となる高血圧・肥満は成人期の深刻な健康課題である。本研究は、同国最大都市アビジャンにおいて、人々の疾患予防に関する知識・意識・行動と共に、セルフケアのためのヘルスリテラシーを考慮した上で、健康教育プログラムを開発することを目指す。研究期間内では、アビジャンの市場商人を対象として過体重・肥満の実態および、体重認識やヘルスリテラシーをはじめとする関連要因を明らかにすることを目的としている。 研究は構造化面接調査と身体測定を併用する横断研究であり、対象市場を調査員が訪問し面接する、量的調査を実施する。 2019年度は調査対象市場の決定、調査票の作成、調査対象市場の研究許可取得、及び倫理審査承認の取得を行った。具体的には、研究代表者がコートジボワールへ渡航し、アビジャンの国立フェリックス・ウフェ=ボワニ大学の研究者の協力を得て、対象市場を選定した。調査票は、体重認識や、行動に関する項目を含め研究協力者と協議し、仏語で作成した。またヘルスリテラシースケールは、コートジボワールの様な途上国でも使用可能であり、対象市場で使用されている仏語版の妥当性・信頼性が確保されている測定ツールである、Health Literacy Questionnaire(以下HLQ)を適用することとした。HLQ使用においては、オーストラリアのスウィンバン工科大学の開発者チームより使用許可を取得した。さらに現地においては、対象となる市場を管轄する区役所より研究許可を取得するとともに、横浜市立大学の倫理審査委員会より倫理的承認を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスパンデミックによる各国の国境封鎖のため、研究代表者は緊急帰国を余儀なくされ、未だに再渡航の目処がたっていない。また、アビジャン内においても外出自粛政策が実施されるなど、2020年初期に実施予定だったプレテストが実施できておらず、調査開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は現地調査の実施とデータ分析となる。2020年度はプレテストを実施し調査票内容の確認を行った後、調査を実施する。調査対象者は、対象市場で働く男女とし740人を想定している。調査実施においては、調査員を4人程度雇用し調査手法に関する研修を行う。調査実施期間はイスラム教徒の断食時期と重ならない期間を選択し、約2か月間を想定している。調査実施中は、研究代表者、もしくは研究アシスタントが常に現場に同行し、調査の実施状況をモニタリングすることで調査の質を担保する。2020年後半から2021年にかけ、取得した調査データの入力・整理、および分析を行う予定である。 現在、新型コロナウィルスパンデミックによる各国の国境封鎖のため、研究代表者が緊急避難帰国を余儀なくされ、コートジボワールへの再渡航の目処が立っていない。そのため、上記の通りの調査遂行が難しい状況である。しかし、コートジボワールの感染拡大状況が落ち着き、研究代表者の渡航目処がついた時点で、現地に滞在する調査アシスタントへ依頼しながら、プレテストから徐々に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年4月にプレテストを実施する予定だったため、調査に必要な物品の一部を2019年度末に購入する予定だった。しかし、新型コロナウィルスのパンデミックにより研究代表者が緊急帰国し、それらの物品の購入ができなくなったため。
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