2021 Fiscal Year Research-status Report
コートジボワール住民のヘルスリテラシ―と高血圧・肥満の知識・意識・行動の実態
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19K19768
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
碓井 瑠衣 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80805549)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コートジボワール / 肥満 / ヘルスリテラシー / 西アフリカ / 商人 / NCDs |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は対象としたアノノ市場においてデータ収集を終了し、分析、論文執筆に着手した。 データ収集は、構造化質問用紙を使用した対面式のインタビューと身体測定を実施した。研究計画立案当初は、データ収集時期が同国の大統領選に重なり治安悪化(前回の2011年の大統領選は内戦を引き起こした)が予測されたことから、調査期間を最短化するため標本調査とした。しかし、大統領選は問題なく終了し、COVID-19流行も収束し調査地の社会情勢が改善・安定したため、実態をより正確に把握できる悉皆調査に変更し、調査期間を延長してデータ収集を行った。結果、対象市場の区画を使用する1084人のデータを得ることができた。標本調査から悉皆調査への変更にあたり、横浜市立大学の倫理審査委員会へ研究計画変更を申請し、承認を得た。データ収集は、始めに当初の計画通りに標本調査とし、ランダムサンプリングした750人のデータを収集した。次に倫理審査委員会への調査方法変更の承認を得、残りの対象者のデータ収集を行った。そのため始めの期間で収集した750人のデータを分析し第5回日本国際看護学会学術集会で研究結果を発表した。 今後は全データの分析と論文執筆を進めると同時に、結果をもとに同国の市場における肥満対策案を検討する。対策案検討に当たっては、啓発ツール等の仮案の作成と市場商人へのインタビューや現地専門家との意見交換を予定している。 本研究に関連して、COVID-19の死亡者にNCDs患者が多い点について着目し、コートジボワール国の実態について2020年に調査を行った。同調査の結果では、コートジボワール国においては、糖尿病患者がCOVID-19に罹患した場合の死亡リスクが極めて高いことが示唆された。同調査の結果を論文にまとめたものはJournal of Public Health in Africaへの掲載が確定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響による調査開始の遅れ、また標本調査から悉皆調査へ研究計画を変更したことから、データ収集、データ入力作業の実施が予定より大幅に遅れてしまった。それに伴いデータ分析、論文執筆作業、及び研究結果を元に検討する予定であった市場における肥満対策案の検討、啓発ツールの作成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ分析と論文執筆作業となる。同時にデータ分析から得られた結果より、市場における肥満対策案を検討していく。肥満対策案の検討に当たっては、効果的な啓発ツールの仮案等も作成し、市場商人へのインタビューや現地専門家等の意見交換を行っていく。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究計画が遅れたことにより、2021年度に予定していたデータ分析、論文執筆、および研究結果を元にした啓発ツール等の仮案作成が遅れたことから未使用額が生じた。2022年度はデータ分析と論文執筆、および研究結果を元に、市場における肥満対策案を検討していく。これらの過程において研究資金を使用する。
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