2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of cross-talk mechanism between heart and skeletal-muscle in ischemic heart disease with sarcopenia
Project/Area Number |
19K19824
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
早坂 太希 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (10838543)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サルコペニア / マイクロRNA / 心筋梗塞 / 心筋骨格筋連関 / 臓器間連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの心筋虚血・再灌流(I/R)手術後に尾懸垂(TS)による筋委縮の誘導を行った。サルコペニアを誘導したマウスは心収縮能の回復が阻害され、組織学的にも線維化面積が大きかった。サルコペニアと心機能の回復不全の関係を調べる為に血清中のエクソソームからマイクロRNAを抽出して解析をおこなったところ、miR-16-5pがサルコペニア合併群で有意に高いことが示された。サルコペニアを誘導したマウスの多臓器を解析したところ、miR-16-5pは心臓および骨格筋から分泌されることがわかった。これらから、サルコペニアを誘導すると心臓および骨格筋からmiR-16-5pが分泌されてエクソソームに内包されて循環血液を介して傷害された心筋細胞に作用して修復不全を引き起こすという仮説がたてられた。これを検証するため、ラット新生仔から単離した心筋細胞(NRVMs)に対して虚血を模倣するために低酸素培養した上でmiR-16-5pのmimicを遺伝子導入したところ、コントロールを導入した群と比べてアポトーシスが促進していることがp53とCaspase3の上昇から明らかとなった。その上、TUNEL染色でも同様の結果を得ることができた。miR-16-5pの直接的なターゲットの1つであるSESN1は、NRVMsにおいてmiR-16-5pを遺伝子導入することで転写が阻害されることでタンパク質の発現が低下しており、さらにmTOR活性化を介してオートファジーを低下させることが免疫染色や蛋白発現解析によって明らかとなった。また、miR-16-5pのmimicを尾静脈注射されたI/R後のマウスは、尾懸垂によるサルコペニア誘導と同様に心機能の回復不全を示した。結論として、サルコペニア合併心筋梗塞の悪化の背景にはmiR-16-5pのアポトーシス促進作用がある可能性が示され、これは新規の治療ターゲットとなり得る。
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