2020 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者における作業ストーリーメイキングを活用したアプローチモデルの開発
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19K19862
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高島 理沙 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (70779503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域 / 高齢者 / ストーリーテリング / ストーリーメイキング / 予防的作業療法 / 混合研究法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度,パイロットスタディーの成果をまとめた研究論文を公表した(Takashima, R., Inoue, T., Yoshida, Y., Sakaue, M., Suzuki, T., & Ogasawara, K. (2020). Effects of colour narrative in community-dwelling older adults: A mixed methods study. Scandinavian Journal of Occupational Therapy, 1-13.).この研究論文の概要は次の通りである. 作業ストーリーテリング/ストーリーメイキング(ST/SM)は,クライエントの物語を引き出し,人生の再構築を支援するためのアプローチである.ST/SMの有用性は示されてきたが,疾患や障害をもつクライエントにのみ適用されてきた.本研究では,地域在住高齢者の健康増進を目的に,ST/SMのアプローチを応用し,色カードを使って参加者にとって重要な作業への気づきを促すColour Narrativeプログラムを開発した.Colour Narrativeを豪雪地域に暮らす高齢者で実施し,健康増進に対する効果の検証と,プログラム期間中の参加者の経験を明らかにすることを目的とした.方法は,応用型混合研究法デザインを用いた.研究参加者は,豪雪地帯A市の高齢者サロンのメンバー22名(平均年齢76.1±5.8歳)であった.結果,ST/SMを応用したColour Narrativeは,地域在住高齢者の認知機能や健康関連QOLの改善に有効であることが示された.Colour Narrativeは予防的作業療法の領域で活躍する作業療法士に作業に基づく新たな介入戦略を提供するものである.次年度は,対照群を設定した上でプログラムの更なる効果検証を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目である今年度は,初年度に実施したパイロットスタディーの研究成果を論文として公表することができた.対照群を設定した上での更なる効果検証については,新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった.しかしながら,研究に協力いただける団体との調整はすでに終えており、次年度早々に開始できる見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
対照群を設定した上での更なる効果検証の研究を,次年度早々に開始できる見込みである.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のために介入研究を開始できず,予定よりも多くの次年度使用額が生じた.次年度は早々に介入研究を開始できる見込みである.
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