2020 Fiscal Year Annual Research Report
統合的解析を駆使したアンドロゲンによる骨格筋制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K19947
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
酒井 大史 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (00820804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 幹細胞 / 筋再生 / アンドロゲン / アンドロゲン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画以上に、実験が進行したため、骨格筋幹細胞特異的AR遺伝子欠損マウスのみならず、骨格筋線維特異的AR遺伝子欠損マウスをも作成した。 (1)骨格筋線維特異的AR遺伝子欠損マウス(HSA-Cre;ARL2/Y)から骨格筋組織の採取 コントロールマウスのHSA-Creマウスと比較して、HSA-Cre;ARL2/Yマウスでは、球海綿体筋、肛門挙筋の重量が著しく減少していた。よって、HSA-Cre;ARL2/Yマウスの作成は成功したと考えられる。また、後肢骨格筋(前脛骨筋)よりも、前肢骨格筋(上腕二頭筋)の方が、よりARを発現していることを見出した。このARの発現は、HSA-Cre;ARL2/Yマウスにおいて、上腕二頭筋でより顕著に減少していた。そのため、前肢骨格筋の方が、アンドロゲンに対してより感受性が高い可能性がある。今後、筋重量ならびに筋断面積あるいは筋力を比較検討していくことで、AR遺伝子欠損と前肢骨格筋の関係を探索する。 (2)骨格筋組織からのRNA抽出ならびにRNA-Seqの実施 コントロールマウス、去勢マウスならびに去勢マウスにDHTを投与したマウスのRNA-Seqの結果から、コントロールマウスと比較して去勢マウスで減少した遺伝子群、かつ去勢マウスと比較して去勢マウスにDHTを投与したマウスで上昇した遺伝子群を、アンドロゲン応答遺伝子と仮定して、絞り込みを行なった。その結果、12の遺伝子を同定した。さらに、ChIP atlasのAR結合領域と比較検討し、3つの候補遺伝子を同定した。いずれの遺伝子もアンドロゲンで調整されている可能性がある。また、いずれの遺伝子も、ゲノム領域にAR結合箇所を持つため、ARによって発現が調整されている可能性が高い。今後、骨格筋において、この候補遺伝子が実際にARによって発現調整を受けているかどうかを確認する。
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Research Products
(6 results)