2019 Fiscal Year Research-status Report
二関節筋のユニークな振る舞いに着目した筋損傷メカニズムの解明
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19K20055
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
江間 諒一 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 講師 (10768196)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋損傷 / 二関節筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究目的」 スポーツをした翌日などに経験する遅発性筋肉痛は、痛みのみならず、筋力や関節可動域の低下といった身体機能の低下を伴う。これらの症状は、筋が損傷した結果として生じると考えられており、身体活動量や運動パフォーマンスの低下、運動時における傷害リスクの増加などにつながりかねない。筋損傷は伸張性運動によって生じやすいことが分かっているが、その詳細なメカニズムは不明である。また、筋損傷には一度生じると、しばらく生じにくくなる「繰り返し効果」があるが、そのメカニズムもよく分かっていない。これらのメカニズムを解明できれば、痛みや身体機能の低下を防ぐための効果的な手段の確立につながることが期待できる。本研究では、近位と遠位の二つの関節を跨ぐ二関節筋が、運動様式や関節角度の影響を受けて特徴的な振る舞いをみせるという点に着目し、筋損傷と繰り返し効果のメカニズムを解明することを目的としている。 「研究方法」 多関節運動である伸張性サイクリングを実施し、運動強度と筋の活動レベルとの関係について、単関節筋である外側広筋と二関節筋である大腿直筋との間で比較を行った。 「研究成果」 運動強度が大きいほど、単関節筋である外側広筋の筋活動レベルは高かった。一方、二関節筋である大腿直筋の筋活動レベルは、運動強度による明確な違いが観察されなかった。この結果には、運動様式と筋の長さ変化の関係が影響している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度末にかけて予定していた実験で活用する設備の構築に、想定以上の時間がかかっているため。 ヒトを対象とした実験を行う必要があるが、COVID-19の影響により、実験の実施が難しい状況が続いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
設備の構築状況およびCOVID-19による社会的状況を見極め、必要に応じて実験方法の変更などの対応を行う。また、本年度の成果を学術論文および学会発表できるように尽力する。
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Causes of Carryover |
(理由) 計画していた研究を実施するための設備構築に時間がかかっており、機材購入費および人件費に充当予定であった額を本年度使用する段階に至らなかったため。 (使用計画) 設備の構築状況、covid 19による影響などを見極めながら、実験に必要な機材および人件費の支払いとして使用する予定である。
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