2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K20350
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
和佐 州洋 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00781337)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知識発見 / データマイニング / 列挙 / 列挙アルゴリズム / グラフ / 近傍領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
大量に蓄積されたデータにより,私たちは新たな知識を発見ができるようになった.一方で,その大量さは同時にこれまで利用できたデータマイニングアルゴリズムを適用できない規模となっている.本研究では,「近傍領域」と呼ばれる局所的な構造に着目することで,この状況を打破しようというものである.具体的には,次の二つの課題を設定した. 課題1: 現実の問題に対する適切な「大事さ」に関するパラメータのモデル化 課題2: 課題1で得られたパラメータを元に,近傍領域を効率よく計算するアルゴリズムの開発 これらの課題のもとで,2020年度は特にアルゴリズム開発に注力し,いくつかの非自明なアルゴリズムを得ることができた.具体的には,部分構造を効率よく列挙する,および,部分構造を徐々に変化させる遷移問題に対してのアルゴリズム構築である.列挙アルゴリズムに関しては,応用を目指したより一般的な問題設定を新しく定義することに成功した.さらに,遷移問題に関しては,その計算困難性の証明等も与えており,課題1を実際的に適用する際のボトルネックを議論するための足掛かりとなることが予想される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は研究環境が激変したため,これまで研究会などでの情報収集をベースとしていた課題1に関する問題解決が想定よりも進まなかった. 一方で,課題2におけるアルゴリズム開発であるが,ある種のシーズ的研究を進めることとした.具体的には,これまでの列挙アルゴリズムで"厳密に列挙する"という点が重視されていたが,これに関して条件を緩めて近似的な列挙を目指すアルゴリズムの開発を行なった.これに関しては,いくつかのメタ的な結果を得ることができたため,現在国際会議へ投稿した.また,そのほかにも,従来的視点に立った,基本的な構造の列挙問題についてもアルゴリズム開発を進めており,オイラー路や,シュタイナーグラフ,マッチングなどの列挙に関する結果が得られたため,現在論文を投稿中,または,投稿準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
課題1は,本年度は,オンラインでの研究会参加などの見通しが2020年度よりも立ったため,柔軟に情報収集を進め解決を図りたい.研究の推進方策としては,近隣分野への研究者へ直接コンタクトを取る,あるいは,研究会への参加を通じた情報収集を目指す. 課題2については,進捗状況でも述べたような,シーズ的研究が順調に進んでいる.引き続き,理論的保証を持ったアルゴリズムの研究を進める.一方で,課題1に関して情報収集が順調に進んだ段階で,課題2で得られたアルゴリズムを適用しながら実験等を推し進める.
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Causes of Carryover |
パンデミックにより,主な支出として計上していた旅費がほぼ執行不可能となったため,次年度使用額が生じた.これを原因とした研究進捗の遅延を補うために,出張が可能になり次第,随時予算を執行していく予定である.また,研究期間の延長についても計画中である.
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Research Products
(5 results)