2021 Fiscal Year Research-status Report
言語解析における目標テキストへの特化技術に関する研究
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19K20351
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大内 啓樹 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70825463)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 事例ベース学習 / 表現学習 / 構造予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度に開発した事例ベース学習手法をより広範なタスクに応用可能なように拡張した。より具体的には、2020年度は固有表現抽出をはじめとするフレーズ抽出タスクへの応用にとどまっていたが、2021年度は依存構造解析などの語句間の「関係」も学習可能な新たな事例ベース学習手法を提案した。また、提案した事例ベース手法の性能のみならず、解釈性(特に解釈妥当性)の観点からも定量的に検証を行った。結果として、標準的な手法と同等の予測性能(正確性)を保ちつつ、解釈性に優れる性質を持つモデルが構築可能であることを示した。さらに、自然言語処理タスクにとどまらず、画像分類タスクにおいても同様に優れたモデルを構築した。 本成果は、自然言語処理分野のトップ論文誌であるTransactions of the Association for Computational Linguistics (TACL) 2021に採録され、世界的に高い評価を得た。国内でも、情報処理学会自然言語処理研究会にて優秀研究賞を受賞した。また、2019-2020年度に開発したフレーズ表現の学習手法に関する成果は、言語処理学会論文誌「自然言語処理」にて最優秀論文賞を受賞した。
今後、2021年度に提案した提案手法を特定タスクに依存しないより汎用的な手法へとさらに一般化および高度化を目指す。特に、類似事例検索をする際に問題となる「ハブ」現象の詳細な調査を通して、事例ベース手法が成功する条件を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初掲げていた2つの研究目的(ひとつは目標テキストにモデルを特化させる学習法の開発、もうひとつは類似事例間の特徴ベクトル表現の効果的な学習手法の開発)を満たす手法を開発し、その効果を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、類似事例間の特徴ベクトル学習手法の(1)汎用性の向上と(2)巨大言語モデルとの効果的な連携に主眼を置き、更なる改善に取り組む。
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Causes of Carryover |
参加予定であった国際学会がコロナウィルス流行によってオンライン開催となり、それに係る交通費や参加費が抑えられたため。 翌年度は国内・国際学会への参加費と物品を中心に助成金を使用する。
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