2022 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of Stroke Risk based on Shape Classification of Retinal Vein by Using Self-Organizing Map
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19K20356
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
古賀 裕章 久留米工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (10807861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 形状分類 / 眼底 / 自己組織化マップ / 規格化 / 医用画像処理 / 脳卒中リスク推定 / 動脈硬化診断 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
眼底は人体で唯一血管を直接観察できる部位である.脳と眼は発生学上同一の部位であるため,眼底血管を観察することで,脳の血管の状態を推測することができ,脳卒中の診断や予防に活用できる.脳卒中や動脈硬化を反映した眼底血管の状態として,動脈と静脈の交叉部において,動静脈交叉現象と呼ばれる狭窄や歪みなどの形状の変化が静脈に起こる症状がある.本研究では,自己組織化マップにより,交叉部の静脈形状を自動分類し,動静脈交叉現象の重症度を推定・評価するシステムの開発を行い,脳卒中の治療や予防に活用する.令和4年度では,以下のことを行った. 1.対称性を考慮した動脈硬化重症度推定手法の開発:前年度開発した対称性を考慮した血管形状分類手法と自己組織化マップを用いた動脈硬化の重症度推定手法を組み合わせることにより,動脈硬化重症度において同じ意味を持つ「対称な形状」を同一の入力として扱う推定を行った.本手法により動脈硬化の眼底における診断基準である交叉部の静脈形状に注目した重症度推定を実現することができた. 2.血管壁輪郭線追跡手法の開発:静脈形状に基づく重症度推定においては,血管壁の輪郭線抽出の精度が重要となる.複雑な形状となる交叉部付近の静脈壁の形状を動脈血管壁への乗り移りなく抽出する手法として,血管中心線を辿る向きを基準方向とした探索方向を逐次更新する血管壁追跡手法を開発した. 3.自己組織化マップを用いた画像識別結果の類似性の可視化:経年変化追跡に向けて,識別結果の類似している画像が近くに配置される自己組織化マップを作製した.入力としては,識別器に用いた深層学習における出力層の一つ前の層の出力を用いた. 4.自己組織化マップを用いた経年変化追跡手法の検討:3によって得られたマップにおいて,同一患者の経年変化を観察した.症状の悪化が観察できる軌跡があり,経年変化の追跡が可能であることが明らかとなった.
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