2021 Fiscal Year Research-status Report
合意形成における価値創造プロセスのモデル化と定量的評価
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19K20386
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
濱田 百合 青山学院大学, 理工学部, 助教 (40823753)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 合意形成 / コミュニケーション / ベイジアンネットワーク / オンラインミーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では合意形成における価値創造プロセスについてベイジアンネットワークによるモデル化と分析を行い,定量的な評価を行うことを目的としている.これまでは対面による合意形成プロセスを対象とし,選択肢の過多による比較,合意形成に参加するメンバーの人数による比較などを行ってきた.近年はコロナ禍により対面での合意形成の観察が困難であるため,昨年度(令和2年度)よりオンラインによる合意形成の事例収集を行ってきた. 今年度(令和3年度)は主に昨年度(令和2年度)より収集してきたオンラインミーティングによる話し合いの事例について,詳細な分析及びモデル化を行った.対面での合意形成と同様のテーマでのオンラインでの話し合いの事例について,対面での合意形成との比較を行った.その結果,対面での合意形成プロセスと同様にベイジアンネットワークモデルを用いて構造変化を示すことができた.さらに(1)合意に至るまでの時間,(2)単位時間あたりの発言量,(3)参加者の発言割合について,対面の合意形成プロセスとの類似点,相違点についても言及することができた. さらに今年度はオンラインミーティングのテーマとして就職活動に着目し,自由討論型のグループディスカッションの事例収集を行った.自由討論型のグループディスカッションはこれまでの事例と異なり,予め選択肢が用意されておらず,かつ時間制限がある場合の事例である.よって,これまで取り組んできた選択肢が用意されており,かつ時間制限がない場合の事例との比較を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対面のみならず,オンラインの合意形成プロセスについても,ベイジアンネットワークを用いてモデル化,分析を行い,構造変化の可視化および定量的評価を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は令和3年度に収集した自由討論型のグループディスカッションの事例について分析し,これまで取り上げてきた事例との比較を行う. また,これまでは多くの合意形成プロセスに提案手法を適用し,合意形成プロセスの構造変化を定量的に示すことができた.しかしながら,合意形成において価値創造を促す手法についての定量的評価については未実施であるため,令和4年度はファシリテーション手法の定量的評価についても検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,すべての学会活動がオンラインとなり,旅費の支出がなくなったため,次年度使用額が生じた.差額については次年度の学術会議の旅費,参加費や,物品の購入に使用する予定である.
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