2021 Fiscal Year Annual Research Report
Biomonitoring and risk assessment of human health for Neonicotinoid insecticides using human urine
Project/Area Number |
19K20465
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本田 匡人 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (80785791)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ネオニコチノイド系農薬 / 環境汚染 / バイオモニタリング / 経口暴露 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年環境問題となっているネオニコチノイド系農薬のヒトでの汚染調査を日本海側の3地域:新潟・石川・福岡で新潟食料農業大学・九州大学と共同で実施した。2019年1-4月、2019年8-10月、2020年7-9月に合計339人から尿検体を収集し汚染状況を解析した。 分析の結果、新潟県で比較的高濃度および高頻度で農薬が検出された。3県間では第2期間(2019年8-10月)において、新潟県で他2県に対して有意に高い濃度の農薬が検出された。また各地域での3期間の間では、新潟では第2期間、石川では第3期間(2020年7-9月)において他期間に対して有意に高い濃度の農薬が検出された。本農薬の主要な使用目的が稲作と想定した場合、石川では第1期間は不使用時期・第2期間は使用期間直後・第3期間は使用時期と想定され、新潟ではこれよりも早い時期、福岡ではこれよりも遅い時期であると想定される。そのため本結果は農薬汚染が食物を介して季節を問わず普遍的に発生しているが、同時に地域ごとにネオニコチノイド系農薬の使用時期・量および暴露量が異なる事も反映していると考えられた。 また尿検体収集と同時に実施した提供者の食生活などに対するアンケート調査と合わせて解析を行った結果、農作物およびその加工品の摂取が農薬暴露に対して大きく寄与している事が確認された。また日中の尿回数と尿中濃度に負の相関が検出されたことから、スポット尿では検体の精度に問題があり、この事から尿中クレアチニン濃度などによる濃度補正が必要であることが示唆された。
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