2021 Fiscal Year Research-status Report
Organizational Management Strategy and Social Network Formation in Women's Movement Led by Mumeo Oku
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19K20583
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
濱 貴子 富山県立大学, 工学部, 講師 (10711616)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 奥むめお / 婦人運動 / 消費者運動 / 組織マネジメント / 社会的ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,奥むめおを中心とした婦人運動・消費者運動の成長と持続を支えた組織マネジメント戦略と社会的ネットワーク形成を長期的かつ質的・量的に明らかにすることである.現代の「男女共同参画」の課題と対策を論じるうえで不可欠な先行事例を見出し,現代日本女性のエンパワーメントに資する研究を目指している. 本年度は,昨年度まで取り組んできた奥むめおを中心とした婦人運動・消費者運動における組織マネジメント戦略の分析について得られた知見をまとめ,第94回日本社会学会大会のテーマセッション「「歴史社会学」の諸実践と理論的・方法的反省」(2021年11月13日〔土〕15:00~18:00、オンライン開催)において「奥むめおの婦人運動における組織マネジメント戦略――「才媛」の歴史社会学へ向けて」というタイトルのもと報告を行った.具体的には,①組織の成長とマネジメント戦略の変容(〔1〕組織構成,〔2〕運動の変化,〔3〕役職に就いたメンバーの変化,〔4〕学習の場としての主婦連),ならびに②活動資金捻出と活動拠点の創出・拡張について報告した. また,上記の知見をもとに投稿論文の執筆を進めるとともに,次の課題である奥むめおを中心とした婦人運動・消費者運動における社会的ネットワーク形成の解明に着手した.日常的活動におけるネットワーク形成の解明については,機関誌(紙)の活動報告から,会員数,投稿欄への会員原稿の掲載,特定の活動への支援団体・個人会員の参加状況についてデータ化を進めた.言論活動におけるネットワーク形成の解明については,機関誌(紙)の投稿者を除いた記事執筆者のデータ化を進めた.連携的活動におけるネットワーク形成の解明については,機関誌(紙)の活動報告から他団体との連携状況のデータ化を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,これまでの成果を学会にて報告するとともに課題に計画的に取り組み,奥むめおを中心とした婦人運動・消費者運動における社会的ネットワーク形成に関する資料のデータ化に着手した. ただし,データ化を行うなかでデータ化が必要な活動報告や記事の量が当初の見積よりも多くなり,データ化に時間がかかっている.データ化作業を速やかに進めたい.また,コロナ禍において本年度も引き続き県外出張が難しく,国立女性教育会館所蔵の「奥むめおコレクション」の資料整理については本年度も進めることができなかった.状況をみてあらためて資料調査に赴き,資料整理の作業を再開させたい.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず,学会発表を行った「奥むめおを中心とした婦人運動・消費者運動におけるマネジメント戦略」に関する知見に加え,「奥むめおコレクション」に収められている各運動組織の規約に関する資料調査を再開し,組織マネジメント戦略の知見を充実させたうえで,考察を加えて論文としてまとめ,投稿を行う.なお,本年度もコロナ禍により出張が難しい場合には,各運動組織の規約に関する資料調査を延期し,その部分については別の論文としてまとめることとし,これまでに得られた知見にて論文の執筆ならびに投稿を行う。 次に,奥むめおを中心とした婦人運動・消費者運動における社会的ネットワーク形成の解明に関して,①日常的活動におけるネットワーク形成,②言論活動におけるネットワーク形成,③連携的活動におけるネットワーク形成の3つの観点の資料のデータ化を完了させ分析を行うとともに,活動資金支援におけるネットワーク形成についても機関誌(紙)への広告掲載企業ならびに活動拠点施設建設における施設建設資金寄付者のデータ化を行い,分析を進める.以上より得られた知見について学会発表を行うとともに,論文として投稿することを目指す.なお,4つの観点からのネットワーク形成について得られた知見が多くなった場合には,個別のテーマとして独立させそれぞれの観点についての知見をまとめ,学会発表ならびに論文の執筆を進める.
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍により,資料調査のために出張することが難しく,学会もオンライン開催となったため,それらにかかる旅費を使用しなかった.また,データ入力もデータのまとめ方を模索しながら自身で行ったため,人件費・謝金についても使用しなかった.加えて資料調査にかかる出張を行わなかったことにより調査機関での資料コピー代も発生しなかったため,その他経費についても使用しなかった. 次年度使用額と翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画については,「婦人運動・消費者運動関連図書」を引き続き物品費として購入するとともに,国立女性教育会館所蔵の「奥むめおコレクション」の資料調査のための出張旅費ならびに学会が対面で再開された場合には学会発表のための出張旅費として使用する.また,調査機関での資料コピー代としてその他経費を使用する.
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Research Products
(4 results)