2020 Fiscal Year Research-status Report
屋外環境における幼児のLight Touchの研究ー探索行為の性質と生態学的制約
Project/Area Number |
19K20644
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
山崎 寛恵 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (40718938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アフォーダンス / 触覚 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,幼児期に特徴的な,環境に対する機能的意味が不明瞭な手の接触に着目することにより,環境認知の発達にアプローチする。独立での移動や姿勢制御のスキルが相応に獲得された幼児期に観察される、指先による周囲へのわずかな接触は、身体と環境の関係が不安定な状況下での,環境を探索する行為として理解することができるだろうか。本研究では,幼児の身体・知覚特性との適合性が低いゆえに,環境への探索的行為が高まると予想される屋外環境をフィールドとし,周囲への手の接触を質的・量的に検証する。 2020年度は、前年度(2019年度)に収集した2-3歳児の散歩場面のデータ分析を行った。自然場面で収集した記録であったため、対象児らの予想外の行動によってデータブランクが生起した他、分析対象として不十分な点が数点明らかになった。 コロナウィルス感染症の流行により、本研究のテーマである触についての追加データを収集することができなかったため、既に収集済みのデータの質的分析に切り替えた。こうした社会的状況は今年度も継続する可能性があるため、研究方法を切り替えるべく、生態心理学関連の方法論的調査と分析方法の再調査を行った。アフォーダンス理論を中心としたオンライン研究会を実施し、晴眼者(児)と視覚障害者(児)の歩行時に観察される触の比較などを行った。研究方法の代替可能性を検討した予備的調査の結果については、日本生態心理学会第8回大会で口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属先の異動により、研協環境の整備に時間を要した。 また、新型コロナウィルス感染症の流行により、乳幼児を調査参加者としたデータ収集ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の流行が継続していることから、感染防止対策を考慮したデータ収集手続きを再考する必要があるため、当初予定していたものとは異なる研究デザインに切り替える。ビデオカメラや加速度計などを利用した観察研究が妥当であると考えている。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症の流行のためデータ収集が実施できず、これに係る費用が未使用である。今年度、データ収集を実施する際に使用する見込みである。
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